アウト【３】 ページ38
──11月1日水曜日
『洗剤と除草剤……何に使うんだろうね？』
「そうね…ノーマンにも考えがあるのよ」
昨晩、ノーマンに備品管理室から洗剤と除草剤を盗んでくることを頼まれた私達。
無事ママにもシスターにもバレずにミッションをクリアし、のんびりノーマンの元へと歩いていた。
「あ、ノーマン！言われた通り盗ってきたぜ」
『ねぇコレ、何に使うの？』
「下見の時役立つ」
『｢⁇｣』
とりあえずハウスから出ましょう、というギルダの案で森に移動することになった。
その間、歩きながらも会話を進める。
途中でエマとも合流した。
「ねぇ、｢下見｣って柵の先、塀に上って｢外｣を見るんだよね？発信機……どうするの？」
「それは”｢確認｣させなければいい”」
「その通り」
『？』
エマはギルダに返答し、ノーマンはその通りと答えるが、私達はまだよく分からないまま。
ノーマンは説明を続けた。
「ママとシスター、それぞれの目を他へ向ける。｢確実に発信機を見ない状況｣をつくり出し、その間に素早く下見をする」
『…ふむ。でもどうやって……？』
「ママはレイに足止めしてもらう。偽の情報を流してもらうんだ」
──そして気付いたら森の中。
なるほど、通りでレイがいないわけ。
今同時並行でママに偽の情報を流しに行ってるのか……さすが年長者。考えることが違う。
「けどよ、ママはレイに任せていいとして…シスターは？」
「そうよ。シスターにこそバレたら即出荷なんでしょ？」
「大丈夫、考えがある」
ノーマンは自信有り気にそう答えた。
隣でエマも｢安心して｣と言いたげに微笑んでいる。
その２人の様子を見るに、恐らく脱獄に必要なピースが揃ったということなのだろう。
あとは下見をして逃げ道と持ち物を決めて、大人２人を封じ、皆を連れて塀を越えるだけ。
誰１人諦めない。死なせもしない。必ず成功させる。必ず──。
『！？』
何か気配を感じて横を向くと、木の陰で怪しい笑みを浮かべて立っているシスター。
途端、ドクンと心臓が大きく跳ね上がるが、なんとか平然を装って話しかけた。
『何のようd』
「見たわよ、食堂での会話」
『！？』
「標的は６人全員！！」
バレた！！
えっ……ということは即出荷？
そう皆が考えたとき、シスターは胸に手を当ててこう言った。
「ノーマン、エマ、レイ、A、ギルダ、ドン。あなた達６人……私と組まない？」
『え？』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 431人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「愛され」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
仙里(プロフ) - シスター・クローネが自己紹介時にシスター・クローネとなっていますよ。すごく面白いです (2020年2月23日 21時) (
レス) id: e74e5ba2d3 (このIDを非表示/違反報告)
hono - 私は最年長の三人組が推しだと思っていたのですが・・・フィルは思っていませんでしたwww確かに猫口可愛いですよね！！！ (2019年2月15日 20時) (レス) id: 03d076c9eb (このIDを非表示/違反報告)
同志スターリン - 可及的速やかにコミンテルンの創設が必要である (2019年2月11日 16時) (レス) id: b0598bc4a0 (このIDを非表示/違反報告)
ネック(プロフ) - あさん» 指摘コメントありがとうございます！女の子らしい肉体を…と思いそのような設定にしたのですが、確かに10歳の女の子、胸はまだ成長途中ですね……。早急に設定を変更させていただきます！ (2019年2月11日 10時) (レス) id: 77510b3074 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 10歳なのに胸がそこそこって...小学生年齢に何を求めてるのでしょうか。少しその設定が引っ掛かりましたので今回は少し低めの評価を押させて頂きました。これからも頑張ってください。 (2019年2月11日 9時) (レス) id: 23fc808fab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ネック | 作成日時：2019年1月26日 0時
