秘密の部屋とW・ミネルヴァ【３】 ページ33
注目したそのフクロウのマークは、蔵書票といって本の持ち主を示す紙だ。
エマがとってきたのはほんの一部で、ミネルヴァさんの本は図書室中にある。
「Aが４歳のときこのハウスの真実を知るキッカケになった本で、それに脱獄にも関係してるもの……」
『うん』
「A、頼める？」
ノーマンはその本の意味を知るために本を見つめているが顎に手を当てたままだ。
その様子を見て、エマは私のほうがこの本に詳しいと思ったのか説明を私に譲る。
『えっとね、このフクロウの周りの円を見てみて。モールス符号になっているでしょ？』
「本当だ…！」
『それで、この本には｢逃げろ､疑え､危険、真実｣ってメッセージが隠されてる』
「よく気付いたねこんなの…いや、でもこれだけじゃ…」
「”俺たちに宛てた伝言とは限らない”？」
レイが答える。
確かにこれだけだとそう考えるだろう。
エマは｢じゃ、コレは？｣と別の３冊の本をノーマンの前に出す。
その本に書かれていたのは｢収穫､怪物､農園｣という文字で、ノーマンはすぐに理解する。
「これは｢外｣から鬼や大人に隠して食用児に向けたメッセージ。それ”は”信じていいと思う」
「それ”は”？」
「俺はこいつらと違って疑り深いんでね。
このミネルヴァって男、確かに味方かもしれん──が、生死も判らん相手だぞ。期待しすぎるのはどうかと思うね」
「またそういう…！」
レイがエマと私の頭をペコンと叩く。
確かに私は今までこの本のことをずっと信じてた。
その頃は脱獄しようと考えていなかったから、真実を知った後は深く考えることは無かったけど。
「でも｢外｣に味方がいた。今もいるかもしれない」
ノーマンが嬉しそうに言う。
「W・ミネルヴァ──この人は、｢外｣にいて、農園の存在を知っていて、間接的にではあるけれど僕らを助けようとしてくれている」
「ねっ」
確かここの本、2015年発行の本が最後だった気がするな……。
ジャンルも雑多で、出版社や出版年とか本の中身や傾向に共通点は特にない。
｢あ、でも…｣と私は積まれた本から１冊の本を取り出して皆の前に広げる。
『この２つのモールスを見て』
「モールスがないマークと…もう１つは──PROMISE…”約束”……？」
『そう』
今広げたこの本の中身は、よくある冒険小説と難しい神話の本。
きっと、この”何か意味を持つ２冊の本”は、いずれ私達にとって何か大切な道標になるに違いない。
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仙里(プロフ) - シスター・クローネが自己紹介時にシスター・クローネとなっていますよ。すごく面白いです (2020年2月23日 21時) (
レス) id: e74e5ba2d3 (このIDを非表示/違反報告)
hono - 私は最年長の三人組が推しだと思っていたのですが・・・フィルは思っていませんでしたwww確かに猫口可愛いですよね！！！ (2019年2月15日 20時) (レス) id: 03d076c9eb (このIDを非表示/違反報告)
同志スターリン - 可及的速やかにコミンテルンの創設が必要である (2019年2月11日 16時) (レス) id: b0598bc4a0 (このIDを非表示/違反報告)
ネック(プロフ) - あさん» 指摘コメントありがとうございます！女の子らしい肉体を…と思いそのような設定にしたのですが、確かに10歳の女の子、胸はまだ成長途中ですね……。早急に設定を変更させていただきます！ (2019年2月11日 10時) (レス) id: 77510b3074 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 10歳なのに胸がそこそこって...小学生年齢に何を求めてるのでしょうか。少しその設定が引っ掛かりましたので今回は少し低めの評価を押させて頂きました。これからも頑張ってください。 (2019年2月11日 9時) (レス) id: 23fc808fab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ネック | 作成日時：2019年1月26日 0時
