覚悟【１】 ページ34
その後、レイが時計を見せ｢俺らも夕飯の準備行くぞ｣と言ったので、とりあえず本の話は置いといて食堂に向かうことになった。
その間、エマが蔵書票に気付いていたのに驚いた話をすると、フィルが見つけて教えてくれたのだと言う。
フィルって本当にすごいね…。
「え…、ドンとギルダは？」
『いないの？』
先頭を歩いていたエマとレイが立ち止まって一言。
図書室から出て行くとき｢夕飯の準備してくる｣って言ってたのに…。
『(まさか…！！)』
皆がそう思って、来た道を戻ろうと振り返ったときだった。
「ドン、ギルダ」
「よかった…！てっきり……！」
「どこ行ってた？」
エマは安心した様子でホッと息を吐いて２人に近づいて行く──が、レイに手で静止される。
聞かれた２人は黙ったままである。
「？」
年長者同士のその張り詰めた空気に、食堂に集まった子供達は不思議そうに首を傾げる。
そこで、今は目立つので後で話すことになった。
──２時間後、食事やお風呂を済ませた後私達６人は再び食堂に集まった。
シン…と静まり帰った食堂でドンが話す。
「入ってきたよ秘密の部屋。地下室だった」
「！！どうやって入ったの？」
「ドンが…鍵を掏って…」
「ママから！！？」
ドンはずっと睨み続けている。
秘密の部屋は地下室…。
恐らくそこは真実を知る重要な場所だから、もしかして真実を知ってしまったか…？
ノーマンは｢ママには？｣と聞く。
するとギルダは｢気づかれていないと思う｣と答えた。鍵も”多分”返したらしい。
「馬鹿なことをしてくれたな」
ドアに寄りかかって腕組みをしたレイがそう言う。
「もしカメラ・盗聴器・警報。どれか１つでもあの部屋についてたらどうする？ママやシスターにバレてお前ら……。いや、俺達全員」
「どうなるか言ってみろよ」
『！？』
声を荒げるレイにドンは低い声を出す。
……マズい。
「殺される──か？」
「え」
「騙しやがって。何が｢わからない｣｢助けに行こう｣だ。｢助けに｣なんて行けないんじゃないか…。だってコニーは、コニー達はもう──」
「ごめん…」
『待ってエm』
「ごめんなさい！！」
間に合わなかった…。
「ほらなギルダ。やっぱりこいつら嘘ついてたんだよ」
「あ…」
エマは”やってしまった”という顔をする。
レイは小さく舌を打つ。
そしてドンは、エマを見下ろしてこう言った。
「何隠してる？全部話せよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 431人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「愛され」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
仙里(プロフ) - シスター・クローネが自己紹介時にシスター・クローネとなっていますよ。すごく面白いです (2020年2月23日 21時) (
レス) id: e74e5ba2d3 (このIDを非表示/違反報告)
hono - 私は最年長の三人組が推しだと思っていたのですが・・・フィルは思っていませんでしたwww確かに猫口可愛いですよね！！！ (2019年2月15日 20時) (レス) id: 03d076c9eb (このIDを非表示/違反報告)
同志スターリン - 可及的速やかにコミンテルンの創設が必要である (2019年2月11日 16時) (レス) id: b0598bc4a0 (このIDを非表示/違反報告)
ネック(プロフ) - あさん» 指摘コメントありがとうございます！女の子らしい肉体を…と思いそのような設定にしたのですが、確かに10歳の女の子、胸はまだ成長途中ですね……。早急に設定を変更させていただきます！ (2019年2月11日 10時) (レス) id: 77510b3074 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 10歳なのに胸がそこそこって...小学生年齢に何を求めてるのでしょうか。少しその設定が引っ掛かりましたので今回は少し低めの評価を押させて頂きました。これからも頑張ってください。 (2019年2月11日 9時) (レス) id: 23fc808fab (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ネック | 作成日時：2019年1月26日 0時
