覚悟【2】 ページ35
エマはノーマンとコンタクトを取ると、真実をドンとギルダに全て話した。
「え…」
「鬼…農園?」
「(コニーも皆も私達も、食べられるために…!?)」
「あとは……」
エマはレイがずっとスパイをしていた、ということも2人に話す。
そのままだと誤解が生まれるので、すかさずノーマンが「僕らのためにね!」と付け足した。
「……じゃあレイは、あの日コニーがどうなるかわかってたのか」
「……」
「エマとノーマンは、俺達を敵だらけの世界へ騙して連れて行こうとしてたってわけか」
ドンはノーマンの元へ少し近づく。
そして、「ハッ、アハハ」と辛そうに笑うと目つきを変えた。
「ふざけんな!!」
「!!?」
「おいドン!!」
『あぶなっ…』
ドンがノーマンの右頬を思い切り殴る。
ノーマンはドシャっと音を立てて床に倒れる。
その様子を見たレイはドンの名を呼んで怒るが、そんなレイにもドンは殴りかかる──が。
『っ』
「A!」
咄嗟に体が動いた。
レイを庇うとそのままガッと右頬を殴られて、後ろにいたレイと共に床に倒れる。
「──っ!!」
次にドンはエマを殴ろうと胸倉に掴みかかる。
エマはギュッと目を瞑って殴られるのを待つが、ドンは歯を食いしばって動きを止めた。
ギルダが「ドン…」と心配そうに声をかけると、ドンは拳を下ろして顔に手を当て、震えた声を出す。
「そんなに「荷物」なのかよ…」
「え」
「そんなにお前らにとって俺達は「守ってあげなきゃ何もできない弱虫」なのかよ」
『!!』
……私…ドンの気持ち分かる……あの日の自分…。
「嘘つく理由くらいわかってるよ。全て俺達を守るため──だろ?けどさ、頼ってくれたんじゃねぇのかよ。悔しいっつーか、惨めっつーか」
ドンは顔を上げた。
とっても、とっても辛そうな顔で。
「俺達お前らみたいに出来はよくない。よくないけど…!家族だろ。兄弟だろ。少しは信じてほしいんだよ……!」
そこまで言うと、ドンは「ごめん!俺ちょっと変だ。頭冷やしてくる」と言って部屋から出て行った。
ギルダもドンを追いかけていく。
残った私達はそれぞれで考える。
エマとノーマンは眉を下げ、レイは顎に手をかけて考え込む。
「……そんなつもり……なかったんだけど…私、信じてなかったのかな……あの二人のこと……」
──
やられた!の4話に少し主人公の気持ちが書いているので次の話の参考になるかも…?
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仙里(プロフ) - シスター・クローネが自己紹介時にシスター・クローネとなっていますよ。すごく面白いです (2020年2月23日 21時) (レス) id: e74e5ba2d3 (このIDを非表示/違反報告)
hono - 私は最年長の三人組が推しだと思っていたのですが・・・フィルは思っていませんでしたwww確かに猫口可愛いですよね!!! (2019年2月15日 20時) (レス) id: 03d076c9eb (このIDを非表示/違反報告)
同志スターリン - 可及的速やかにコミンテルンの創設が必要である (2019年2月11日 16時) (レス) id: b0598bc4a0 (このIDを非表示/違反報告)
ネック(プロフ) - あさん» 指摘コメントありがとうございます!女の子らしい肉体を…と思いそのような設定にしたのですが、確かに10歳の女の子、胸はまだ成長途中ですね……。早急に設定を変更させていただきます! (2019年2月11日 10時) (レス) id: 77510b3074 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 10歳なのに胸がそこそこって...小学生年齢に何を求めてるのでしょうか。少しその設定が引っ掛かりましたので今回は少し低めの評価を押させて頂きました。これからも頑張ってください。 (2019年2月11日 9時) (レス) id: 23fc808fab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネック | 作成日時:2019年1月26日 0時