10歳の少女【約束のネバーランド】

《番外編》 ページ21

鬼ごっこをしていたA達。
今日はノーマンが鬼で、残りはAさんだけになってしまったようです。
ｰｰｰ


「A、ちょっと止まってよ」

『嫌だよ！捕まっちゃう！』

「大丈夫、僕は絶対捕まえない。少し話がしたいだけなんだ」



残りは私１人となったとき、ノーマンがそう話しかけてきた。

これは作戦か？
初めはそう考えたけど体力がそろそろキツイ。
私は仕方がなく、ノーマンの話を聞くことした。

息を整えるためなんとなく近くの木の根っこに座ると、私の横にノーマンも座る。



「Aはさ、エマのことどう思ってる？」

『え…っと、エマは大好きだよ』

「じゃあレイは？」

『レイも大好き』

「僕は？」

『勿論、大好きだよ』



急な質問にスラスラと答えた。
「突然何を…」とビックリしてしまったが。

質問をしたノーマンは、なんだか納得していないような表情をしている。



「その好きってのは家族としてなんだよね？」

『うん』



「そっか家族としてか〜」と苦笑するノーマン。

いや寧ろ家族以外に何がある？
兄妹愛とか？



『私にどう思っててほしかったの？』

「僕だけは別の意味で大好きって思っててほしかった……かな？」

『？』



どうしても理解出来ない。
その様子を見たノーマンは何を思ったのか、顔を近づけてきた。



「こうしたら、鈍感なAは分かってくれるかな？」

『え、待ってノーマン』



急なことに頭がついて行かず焦る私と違い、目の前の彼は余裕な表情を浮かべている。

距離を置こうにも後ろの木が邪魔で逃げれない。

どうしよう、と考えている間に距離は近づいていて残りは数cmに。


『(えぇい、もうどうにでもなれ！)』


私は考えるのを諦めてギュッと目を閉じた。





「時間切れ。ノーマンの負けだ」

『レイ！？』

「あらら…」

「時間経っても来ないから何してんのかと思ったらお前ら……ノーマンは後で話がある」



突然のレイの登場に、私は驚いて肩を跳ね上げた。
私の今の顔は多分真っ赤だろう。

だがノーマンは普通で、レイが近くにいるのに気づいていたようだった。



「はぁ…まず早くあっち行くぞ。皆待ってる」

「皆には悪いことしたなぁ…」



心臓の音が鳴り止まないまま、私達はレイの後追う。

とりあえず逃れて良かった…。

そう安心できたのも一瞬だけで、私は、横を歩くノーマンの一言で更に顔を赤くすることになる。





「今度は時間があるときに続きをしようね」

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