コントロール【1】 ページ22
「近くドンとギルダを引き入れよう。事情を話して隊列を率いてもらうんだ」
ノーマンが、前回のシスターとの鬼ごっこが終わった後に言った言葉。
このままだと個々での逃走でほぼ死んでしまうからから、ということだった。
そして今は、ドンとギルダを率いれる前に話しておきたいことがあるということで、いつものように森に集まっている。
「ママは”標的”が僕ら4人。──正確にはエマと僕にレイとAが加わったと既に”特定”できていると思う」
「どうしてそう思うの?」
エマがノーマンに問う。
「色々あるけど、わかりやすいのは「シスターの使い方」かな」
『シスターの?』
「うん。標的を特定するためには、疑いをかけた”年長者6人”を普通マークするでしょ?
けれどママがシスターにさせている見張りは、終始あくまで”全体”の監視の強化」
『ふむ…』
…ってことは、ママは特定する気がないってこと。
その上で私達を好き放題動かしてるんだ…。
いやでも、それもまたおかしい。
エマとノーマンは最初、ママから反応を見られていたんだもん。
『(ママは”特定”したかったけど、今はするつもりがない…。それは既に”特定”を済ませているから?)』
「けどどうやって?発信機からは何の”断定”もできないはず。それに”特定”してるからって好き放題動かしておくなんて……」
エマも私と同じように考えたみたい。
”特定”してても好き放題動かすのは危ないんじゃないだろうか。
と、そこで先程まで私とエマとノーマンの会話を聞いていたレイが話しだす。
「既に他の見張りがそばにいたら?」
「っ……」
「ノーマンが言いたいのはそういうことだろ」
エマは嫌な汗を流す。
「シスターにマークさせるまでもない」
「多分子供達の中に内通者がいる」
レイの言葉を理解して、エマが「内通者」という言葉を震わせながら言う。
内通者と言っても、子供達が無自覚にママへ情報を流している場合もある。
「厳密にはママの「情報源」。
その「情報源」を利用した標的の掌握と制御。恐らくそれが……ママの策の”実際”なんだろう──」
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仙里(プロフ) - シスター・クローネが自己紹介時にシスター・クローネとなっていますよ。すごく面白いです (2020年2月23日 21時) (レス) id: e74e5ba2d3 (このIDを非表示/違反報告)
hono - 私は最年長の三人組が推しだと思っていたのですが・・・フィルは思っていませんでしたwww確かに猫口可愛いですよね!!! (2019年2月15日 20時) (レス) id: 03d076c9eb (このIDを非表示/違反報告)
同志スターリン - 可及的速やかにコミンテルンの創設が必要である (2019年2月11日 16時) (レス) id: b0598bc4a0 (このIDを非表示/違反報告)
ネック(プロフ) - あさん» 指摘コメントありがとうございます!女の子らしい肉体を…と思いそのような設定にしたのですが、確かに10歳の女の子、胸はまだ成長途中ですね……。早急に設定を変更させていただきます! (2019年2月11日 10時) (レス) id: 77510b3074 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 10歳なのに胸がそこそこって...小学生年齢に何を求めてるのでしょうか。少しその設定が引っ掛かりましたので今回は少し低めの評価を押させて頂きました。これからも頑張ってください。 (2019年2月11日 9時) (レス) id: 23fc808fab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ネック | 作成日時:2019年1月26日 0時