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都内にあるそれなりに高そうなホテルの1室

まだ日付は変わっていないが
珍しく任務も用事もない貴重な夜はもう更けてしまった

隣で眠る柳井さんを確認し
重い腰を上げシャワーを浴びる

起こさないように静かに息をひそめ
雑に放られた服を拾い集めて着替えを済ます

学生でもない正統な呪術師ならお金はあるだろうと
部屋に充満した自分の匂いを消すため窓を開けてから部屋を出た



ここがどこかも分からないが
少しの頭痛と怠さに悩まされながら
エレベーターの案内板に従い廊下を進んでいく






「ほんとにもう帰るの五条君?ねえもっかいしよ?」


「しつこい。」







通り過ぎた後ろの部屋の扉が開き
終わった後の別れの会話が聞こえてくる

なんと男の方の愛想のないことか
女性に同情しながらも振り返りはせず
最後の角を曲がり見えたエレベータのボタンを押した





『…。』


携帯を確認すると夜蛾先生からの着信が1件
こんな時間に折り返したら変に感づかれかねないと
見なかったふりをして画面を切り替え
1日で溜まったメールを煩わしく思いながら確認した






「ねえ。」

『…?』





後ろから声が聞こえ振り返ると
背の高い白い髪の毛をした男の子が立っている
黒い服の胸元に付けられたボタンは渦巻の模様

寮の門限なんてとっくに過ぎたこんな時間に
こんな所で高専生に会うなんて
自分以外にも随分素行の悪い学生もいたものだ





「あんた、香月先輩?」

『…どっかで会った?』




高専では学生に顔を見られないようフードで隠している
相手が大人ならどうなったところで関係ないが
学生だと後々面倒になる

昼間なら匂いも出ていないため
こんなふうに夜にばったり会ったときに誤魔化せるよう
わざわざ面倒なことをしていたのだが、
なぜ彼は私のことを知っているのだろう







「今日夜蛾先生と話してたろ。」

『…ごめんね、見覚えないや。』





昼間見かけた硝子の同級生の片方か、
微かに記憶に残っているが覚えてないふりをした方が
この場を逃げられそうだと思い、しらを切った


さらに何かを言おうとしていたが
さっきの女性が彼を追いかけてまた誘い始めたため遮られてしまう

今度は彼の方に同情するが
なんとも絶妙なタイミングでエレベーターが到着し
制止する彼の声を無視して乗り込み閉ボタンを押した



もう彼に会うこともないだろうとエントランスでタクシーを拾い
大して気にも留めず自宅のマンションへ向かった

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(プロフ) - 凄い面白いです!休校中の楽しみですねもう。更新応援してます! (2020年4月13日 10時) (レス) id: b1b211da94 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年4月11日 13時

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