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夕方過ぎ
冥さんに指定された建物に着くと
すでに冥さんともう1人が帳を落として入り口前で構えていた



『私、遅刻しました?』

「いや、彼がいたから早く来たんだ。」



紹介されたのは昇級査定中だという2級術師の柳井という男
階級は下だが歳は上のため頭を下げ自己紹介する
今日の任務は一般人に呪霊を憑かせて金を巻き上げる
悪質な呪詛師集団の解体と捕縛
あまり自分に向いていないがなぜ呼ばれたのだろうと考えていたが
メインは彼で取り逃がした残党の処理が今日の仕事らしい



「悪いね。今は男はやめてくれと言っていたんだが…」

『いいですよ別に。冥さんが気を使う必要はない。』



建物内に入っていった柳井さんを見送り
外で冥さんと2人で談笑しながら終わるのを待つ
30分もすればもうほとんど仕留め終わり
何人か逃げて出てきた呪詛師を見つければ
捕えて建物内に放り込んだ

後始末は高専から派遣された補助監督と
3級以下の人たちがやってくれるので
抵抗する者や使役された呪霊が暴れださないかを見守るのみ

この調子だと暗くなる前には終わるかもしれないと期待して
柳井さんと話す冥さんの元へ帰る




『移送の準備できたみたいですよ。問題ないって補助監督の方が言ってました。』

「そうか。お疲れ様2人とも。」




簡単な労いの言葉で今日の任務は終了し、そのまま解散する
もう外は赤と黒が薄く混ざって月がぼんやりと顔を見せ始めた
車で送るという冥さんの厚意にありがたく甘え
2人で少し離れた駐車場へ歩いていると後ろから声がかかった









「あの、香月さん…」


『はい、』





「ちょっといいですか。」


『…ええ。』





1級術師を目指すほど強い呪力を持った柳井さん
任務で術式を使った直後、微かに乱れた息と呪力が漏れ
見つめられる視線にはほんのり霞む欲の色が垣間見える

ああ、やはり、貴方も―




冥さんに送ってもらうことは諦め、断りを言い
手を引かれるまま彼の車に乗る

運転席に回るなり肩を掴み急かすように口づけを交わす
1時間前に会ったばかりの下の名前も知らない男性
背も高く顔も悪くない
恋人でもいたら申し訳ないなとどこか他人事のように考えながら
求められるまま何度もくっついて離れてを繰り返す





夜になると強い香りを放つ「 チューベローズ 」の花
甘い香りに誘われるのは蝶や蜜蜂なんて可愛らしいものではない



厄介なものを持って生まれてしまったと自分を恨みながら
彼の望むまま夜に溶けていく

5→←3



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(プロフ) - 凄い面白いです!休校中の楽しみですねもう。更新応援してます! (2020年4月13日 10時) (レス) id: b1b211da94 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年4月11日 13時

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