React of the Queen. IV【あんスタ】

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先程からの鬱陶しい頭痛は何だ？


意志の無い、Aの姿をとったこれは何だ？






「…何なん、ですか、」




「………これだ


兄者達が言ってた、
『シナリオに抗うことは不可能だ』っていう、本当の意味…！！」





落ちるときの記憶がAに無い理由


彼らがAを止められない理由





「…っ、待って、お姉さま……！！」





掴んだ手を振りほどこうとする腕の力強さが尋常ではない。



何だこれ


何なんだ、これは？





「これが、『シナリオ』なんだよ…！


だからAの意志だけじゃ止められない！
…この『シナリオ』の根本の結末は、Aがここから落ちること
……それを俺達が変えようとすることで、『シナリオ』が本来の物語に戻ろうとする力が働く…！」





『シナリオ』にとって、”演者”も”非演者”も、『シナリオ』を辿る駒でしかない



無意識のうちに、『シナリオ』のように進むことを強制される。





「…ふざ、けるな…」





『シナリオ』に易々と従えと？



鬱陶しい頭痛と、この重い手は、






「……手が、…」





意識が途切れそうになる


彼女を、離してしまう





「……何で……っ」




「動けよっ、馬鹿……っ！！」






背後で、崩れ落ちる音が聞こえた。




理不尽以外の何者でもない。

『シナリオ』なんて、決まっているものじゃない。



演者が、決めていくものだ。

演者、非演者なんて違いはない。






「お姉さまっ！！！」





離すな、この手を、離すな。





「聞けよ！！馬鹿Aっ……！！！」






離したら、全てが終わる。






離してしまったら、きっともう一度その手を掴むことはできない。


この手が届くことはない。







この『シナリオ』が妨害するものはただひとつ



Aを、妨害するもの。


それは私達自身であり、A自身の意志である。






誰もこの異常を目にする者は、私達『シナリオに抗う者』以外にいない。

私達がそれを避けたから。




私達は、”他の者”を敢えてこの学院から遠ざけた。

この記憶が残るものを、極限に減らす為に。








その結果として、私達を手助けする者はいない。


この手で守らなければ、全てが水の泡となる。







「どうか止まってください…！！

Aっ…、お姉さまっ」








この『シナリオ』に反する願いなど






「………っ…！！」




「Aっ……！！」







もはや、届くわけもない。







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