React of the Queen. IV【あんスタ】

23 - 1 可惜夜と ページ30

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「…結局、変わったのは”彼ら”がAの傍にいるかいないかだけかね」



「宗の言う通り、ストーリー的にはそうですね

まあ元から、彼らがこの世界に加わったとて
Aの繰り返しを絶対に止められるとは限りませんでしたし
私たちだって、このストーリーを細やかに動かすことはできたけれど、大部分の根本的な部分は変えられなかったんですから
『”非”演者』と名乗っていながら」






赤く染まった空を見上げ、風に吹かれた青い髪から覗くのは、笑み。




Pierrotは手を広げ嗤い、静かに仮面で顔を隠した。

いつぞやの、傷付いた少女を隠す、simpleで美しい仮面で。





「彼らを引き入れられたことがこの世界にとって大きな鍵となるには違いないのですよ」




「あしたになってみないとわかりません


ぼくたちもそれぞれ、『きし』さんたちにたのみごとをされているようですし
いま、ぼくたちはそれを『すいこう』するにかぎります



いまぼくたちにできることは、もうなにもない」






やはり自虐的な言葉と笑みで、Heroは手を後ろへと回し、部屋の扉に手をかける。





「何処へ行くのかね、奏汰

…Aを救う手助けをするにしては、随分と腑に落ちない顔をしているが」




「…それをいうならしゅうもですよ


……この『じき』はまいかいそうです
…またあれをみることになるかとおもうと、『ゆううつ』で、…なきたくなります」




「…、そうだね、失礼」





Puppeteerは、妙な置物に糸を付けて弄んでいる。


置物など、紐で吊るしたところで動くわけもないのに。





「…難儀なものだね、本当に」



「宗にいさん、1年の始まりも同じこと言ってなかっタ？」





突如現れたMagicianは、浮かない顔でそう告げてはとんぼ返りで部屋から出ようとする。


『じっとしている暇がない』と言いたげに。





「……どうでもいいんだけド

奏汰にいさんは呉々も投げやりにならないよう二
零にいさんも、宗にいさんも、渉にいさんもネ」





Vampireさえ、昼間から起きては険しい顔なり笑った顔なりころころと表情を変える。






「友をなくすのは、耐えられんからのう


…今年こそ、きっと」




「…だからぼくたちは、てをのばすんです


『ことし』にかぎらず、そのまえも、もうそのまえも、ずっとずっと」






彼らの望みは、『世界の終わり』。


その『終わり』の先に、『始まり』があると信じて。




明日に、手を伸ばす。







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