Story 22『 Irreversible apocalypse 』 ページ22
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「俺達が今までしてたこと何もかもが無駄だった
止めることなんてできない、可能性があるのはたった1日、3月31日、卒業の日」
相手を焦がすような瞳に、零は悲しげな表情で頷いた。
「…ふむ、もうそこまで聞きよったか
……流石は彼女の拠り所、Knightsじゃ」
「…ふざけないで
……って言いたいところだけど、あんたにそれを言っても意味はない」
凛月は腑に落ちない顔で目をそらし、曖昧に頷く。
「…、納得はできないけど
………過ぎちゃったものは巻き戻せないしね」
『じゃが』と、零は笑った。
その笑みに、凛月はきょとんとする。
「少し後悔してたんじゃよ
最愛の弟をこの時間軸に引き入れてしまったこと
そして、何より、最愛の少女を我輩の力で救えんことを、憎んでおった」
まだ繋がらないpieceが、頭の中をぐるぐると巡っては引っ掻き回す。
底知れない苦しみが常に、頭の中を渦巻いているようだった。
「…けれど、大丈夫じゃったな、お主らは
我輩の選択は、正しかったと証明してくれよった
…嬢ちゃん、…いいや、Aは、沢山の奴に愛されていたんだな」
他のどんなpressureよりも、それは大きすぎる。
自らを押し潰してしまいそうだった。
でも確かに、凛月にはわかっていることがある。
「我輩たちではどうやっても変わらぬ
……望みはお主ら、たったひとつじゃ」
「…、あんたがどうであろうと
あんたが望むのが何であろうと
俺はただ、自分の成すべきことをするだけ」
窓から今にも雨の振りだしそうな雲を見上げ、凛月は独り呟いた。
───助けてと、声を聞いたから。
「もう怖くない
…覚悟はできてる
今年こそあんたを、俺達が、…ううん、俺が
止めてあげる」
押し潰されそうな闇の中で、逆転不可な物語を押し付けられても尚、騎士はそれに剣を向けた。
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まひる(プロフ) - 雪羅さん» 時間なんて気にしません!!←ありがとうございます。゚(゚´Д`゚)゚。自分勝手な妄想ばかりですがそう言っていただけると凄く嬉しいです(人*´∀`)他の妄想にもお付き合いいただけると嬉しいです〜(*´∇`)ノ (2020年9月23日 19時) (レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - 今更ですが完結おめでとうございます!漫画化、アニメ化してほしいほどまとまっていてワクワクするストーリー、とてもすごかったです。これからもまひる様のお話を楽しみにしてます! (2020年9月23日 8時) (レス) id: 97af87c013 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - Mashiro Lioさん» 最後までお付き合いいただきありがとうございました!普通のところとシリアスのところの対比が上手く伝わったようで良かったです(*’ー’*)ノまた、地の文に多少英語があるのは、この第4章の視点が司くんの為、和製英語等は英語表記、ということです(*´-`) (2020年8月17日 8時) (レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - 無気力のおにぎりさん» 最後までありがとうございました!他の作品も徐々に進めますね。゚(゚´Д`゚)゚。ご期待に添えるよう頑張ります(人*´∀`) (2020年8月17日 8時) (レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
Mashiro Lio(プロフ) - 完結おめでとうございます!「シナリオ『spring』へ戻る。」というのが、わかってはいつつも何だかひんやりした感じを受けて、本編との対比が……。最後は無事「ズ!!」に移行できたということですかね。ところで最後の方、地の文に英語が増えたのは、なぜでしょうか? (2020年8月17日 7時) (レス) id: 97626e8ffb (このIDを非表示/違反報告)
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