7 - 6 偽り ページ7
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「あれ、泉は？」
「一応、夏休みだからね
前言ってたでしょ、海外旅行。
俺はAが意外と学校に来てるのがびっくりなんだけど」
「それこっちの台詞だからね、言っとくけど
というか、私プロデューサーだからね」
けらけらと、スタジオでは乾いた笑い。
泉がいないことくらい、知っていただろうに。
今日、学校に来ている人もみんな、知ってるんだろう。
「そうだねぇ
お利口お利口…♪」
笑って、うつ伏せになる。
Aは嘘をつく。
何処かの誰かさんも、嘘をつく。
そいつは誰かを守るために、無意識のうちに自分を犠牲にして嘘をつく。
Aの嘘は、自己犠牲からなる物なんだろうか。
それとも、また別の何かか。
どちらにせよ、何だか悲しかった。
苛立った。
表情になんか出さないけれど。
「凛月は何しに来てるの？」
「快適な寝床の確保の為」
「ブレないなぁ」
Aの嘘を暴くには、どうしたらいいんだろう。
わざと、”去年”からズレて動いてみても
Aはちょっと戸惑うだけで何もしない。
寧ろすぐ、取り繕ってしまう。
だからって直接聞いたところで、Aが答えをくれるとも思えない。
だとしたら、Aに自らが”そういう立場”
いいや、”兄者と一緒”だと間接的にでも伝えなきゃいけない。
でも、それも結局あまり進展していない。
もっと核心的な何かじゃないと。
「”スターマイン”、頑張らなきゃねぇ」
まず灰になる気しかしないが。
日中よりはまだマシだろう。
というか、灰になってる場合じゃない。
「…珍しいね、やる気なの」
「そう？
俺はいつでも頑張ってる〜」
突っ伏して、目を閉じて。
その仮面を取ってあげるには、何をしたら良いのか。
Aが何を求めているのか
俺にはまだ、わからない。
「…A、レッスン
暇だから相手して〜」
むくりと起き上がって、気ままに動き出す。
暇だったようで、Aも素直に立ち上がった。
「凛月って何考えてるかわかんないなあ」
そんな、独り言のような呟きに
前を歩きながら、同じく独り言のように呟いた。
「…わかんなくていーよ
俺自身で、考えなくちゃいけないことだから」
そんな呟きを聞いて、Aがどんな顔をしているのかも知らずに
静かなスタジオに、動く物音だけがただ響いた。
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Story 8『 falling into the sea 』→←7 - 5 向日葵
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まひる(プロフ) - 雪羅さん» ありがとうございます…！！妄想のままに描いているので賛否両論あると思いますが…(^-^; そういっていただけると嬉しいですー！(*´ω｀)ありがとうございます(*’ｰ’*)ﾉ (2019年10月13日 11時) (
レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - 前からこの作品見続けています！繊細で綺麗な表現とか、儚い世界観とか、謎の多いキャラクターとか、すごく作り込まれていてまるでドラマを見ているようでした！これからも頑張ってください！ (2019年10月13日 9時) (レス) id: 227c03626a (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - ありまさん» ありがとうございます…！そういったコメント頂けると、嬉しいです(*^-^*) (2019年10月9日 22時) (レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
ありま(プロフ) - この作品の雰囲気がとても好きです。 (2019年10月9日 21時) (レス) id: ef20a5c3d2 (このIDを非表示/違反報告)
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