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「…死ぬのは、ひとりでいいんだよ」
そう笑ったA。
夏目は唇を噛んで、Aに歩みより、押し倒した。
「…本気で言ってるノ？
本当にひとりで死ねると思ってるノ？
なら大間違いだヨ、姉さん」
「……本気だよ
夏目達には迷惑掛けないから
だから、」
次の瞬間、スパン、と乾いた音がした。
押し倒されたAの頬が、赤くなる。
馬乗りになった夏目は、凛とした瞳をまっすぐAに向けた。
「…ふざけるナ
姉さんがそんな顔しテ、ひとりで抱え込むほどにいさんたちも苦しむんだヨ
…なんでわからないノ？
自分がどれだけ大切にされてるのカ、本気でわからなイ？」
そう言い放って立ち上がった夏目は、倒れたままのAをほったらかしに、開いたままの瓶をまた手に取った。
暫く部屋をうろうろと歩いてから、瓶を取り出した戸棚をまた開け、何かを漁る。
必死に、感情の行き場所を探しているようだった。
「…姉さんが死んだラ、にいさんたちも死を選ぶヨ
………言われたろウ、零にいさん二、皆何かしらの罪を抱えて生きていル、っテ」
手を止めて呟くように言った夏目に
Aも消えるような声で言った。
「…夏目にも、あるの？」
黙った夏目は、ふと戸棚を閉めて
倒れたままのAに、立ったまま瓶から取り出した”小さな玉”を差し出す。
ピンク色の、苺味の飴玉のようだった。
「…なにこれ」
「…飴だヨ
何ともなイ、普通ノ」
毒味のように口にいれた夏目に促されるよう、起き上がってそれを口にいれ、舌の上で転がす。
程よく甘い、苺の味だった。
「……
あるヨ、ボクにモ
姉さんに対する罪ガ」
「…それって、」
次の瞬間、Aの表情が歪んだ。
夏目は何食わぬ顔でそれを見下ろす。
「………なに、……これ
……普通の飴、…じゃないじゃん」
「…普通の飴だヨ
ボクの魔法がかかっただけノ」
Aの、何かにすがるように伸ばした手に、夏目はそっと触れる。
息をするようにすっと眠ったAに手を添えて、夏目はひとり、呟いた。
「…ごめんネ、姉さん
………こうでもしないと姉さん、やめてくれないかラ」
手に、ピンクの飴玉をひとつ、つまんで。
そこにぽつり、一粒の雫はこぼれ落ちた。
「……にいさんたちが聞いたラ
…どんな顔をしただろうナ」
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まひる(プロフ) - 雪羅さん» ありがとうございます…！！妄想のままに描いているので賛否両論あると思いますが…(^-^; そういっていただけると嬉しいですー！(*´ω｀)ありがとうございます(*’ｰ’*)ﾉ (2019年10月13日 11時) (
レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - 前からこの作品見続けています！繊細で綺麗な表現とか、儚い世界観とか、謎の多いキャラクターとか、すごく作り込まれていてまるでドラマを見ているようでした！これからも頑張ってください！ (2019年10月13日 9時) (レス) id: 227c03626a (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - ありまさん» ありがとうございます…！そういったコメント頂けると、嬉しいです(*^-^*) (2019年10月9日 22時) (レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
ありま(プロフ) - この作品の雰囲気がとても好きです。 (2019年10月9日 21時) (レス) id: ef20a5c3d2 (このIDを非表示/違反報告)
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