9 - 4 賭け事 ページ19
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「…、」
家に帰るなり、玄関の壁に寄りかかる兄はいた。
「凛月や
お主にちと、訊きたいことがある」
流石、情報が早い。
訊きたいことは、容易に想像できた。
軽く罵倒でもされるかと思った。
”A側に立つ人間”は、これまでの行動を見るに、この繰り返している物語を進んで変えようとはしていない。
今から狂わせるであろう小さな歯車に手を伸ばすのに、待ったをかけるんじゃないかと。
「…”あれ”は、お主自身が決めたことなんじゃな？」
「……、？」
黙って、零の目を見る。
零は淡々と答えた。
「嬢ちゃんを、”この世界”に本当の意味で引っ張り込もうとしておるのか、と聞いておる」
「……」
そっぽを向いて靴を脱ぐと、零は真剣な顔のまま言う。
「”嬢ちゃんそのもの”を変えるつもりかえ」
「……」
「…その意味を理解した上での、”あれ”なんじゃろうな？」
家に上がって、そのまま立ち止まる。
真横の零は、尚も続けた。
「嬢ちゃんはそれを望んではおらん
だからお主を、お主らKnightsを拒絶する
それをわかった上で、嬢ちゃんを変えようと、そう言うのかえ？」
初めて、零を捉えた。
赤い双瞳が真っ直ぐ、こちらを見つめている。
「…」
黙って、頷いた。
それを見るなり、零は『ふむ』と頷いて、
自らの力で立ち、背を向ける。
「ならば、良い
せいぜい励むが良い
…我輩達の唯一の、希望の星達よ」
流れるように背けられた瞳が、何処か寂しそうに見えた。
それは一体、どんな感情なのか。
きっと、一生わからない。
──すっごい上から目線じゃん
─…これだから嫌だねえ、年寄りは
静かな空間に溶かすようにため息を吐いて、
そっと、消した。
こんなこと、キャラじゃないのにな
なんて。
そう、苦笑いをした。
とある楽譜を握りしめて。
緊張と高揚で高鳴る胸を抑えるように、ぎゅっと握って。
目の前の『兄』は、目を細めて笑った。
「全く、素直じゃないのう…
我輩の可愛い凛月
…愛らしいんじゃろう、それほどに、あのか弱い小娘が」
その言葉を頭の片隅に、
手に持ったスマホを勢いよく突きだしてから
俺は暗い廊下をただ、突き進んだ。
”解ったように言わないで、うざいから”
ひとり悶々と、
何とも言えない気持ちも胸に。
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まひる(プロフ) - 雪羅さん» ありがとうございます…！！妄想のままに描いているので賛否両論あると思いますが…(^-^; そういっていただけると嬉しいですー！(*´ω｀)ありがとうございます(*’ｰ’*)ﾉ (2019年10月13日 11時) (
レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - 前からこの作品見続けています！繊細で綺麗な表現とか、儚い世界観とか、謎の多いキャラクターとか、すごく作り込まれていてまるでドラマを見ているようでした！これからも頑張ってください！ (2019年10月13日 9時) (レス) id: 227c03626a (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - ありまさん» ありがとうございます…！そういったコメント頂けると、嬉しいです(*^-^*) (2019年10月9日 22時) (レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
ありま(プロフ) - この作品の雰囲気がとても好きです。 (2019年10月9日 21時) (レス) id: ef20a5c3d2 (このIDを非表示/違反報告)
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