第六十二幕『友の愛す人、我の護り人なり』 ページ9
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「…ご機嫌麗しゅう
流石は天祥院のお兄様、と言ったところでしょうか
…貴方が元気そうで何よりです、衣更先輩」
結界を隔てて、二人の人間は笑う。
「朱桜、だよな
あの名家、朱桜家の一人息子
リツといつも一緒にいる
待ってたぞ、…まあ、俺じゃなくてあの人が、だけどな」
まーくんの姿は、いつも通り、如何にも庶民、といったような感じだった。
「学舎はこの様だから、あの人は奥にいるぞ
俺は、案内係ってとこ」
「貴方は、外に出ていても平気なのですか
鬼が大勢いるでしょう」
「俺は全然平気
自分で言うのも何だけど、俺、術は一通り使えるつもりだから」
「…、
…お見事ですね、一般人でそこまで術を使いこなせるとは」
スーちゃんは何故か、まーくんを見て顔を強ばらせ、言った。
でも何だか、まーくんは術を普通に使いこなせるのに、自分は朱桜家の見劣りだとも言われたスーちゃんはから見れば
まーくんには少し嫉妬もするんだろう、なんて思ってもみる。
まーくんから見る朱桜家の跡継ぎとしてのスーちゃんを、俺達は知らない。
俺達から見る俺達の仲間としてのスーちゃんを、まーくんは知らない。
「…悪い、何か気に触ったか？」
「いえ、少々醜い嫉妬を
申し訳ありません、まだ精進せねばなりませんね」
「…いや、嫉妬なんか誰でもするもんだから
……俺だって、お前が羨ましいよ」
「…何故です?
貴方は私にない才能をお持ちです
私を羨むことなど何もないでしょう」
歩きながらそう言ったスーちゃんに、まーくんはただ前を見ながら言った。
「お前はリツ達と一緒に居る
それが何より羨ましいよ、俺にとっては」
「…、それは…」
「それだけで俺がお前を羨む理由は充分だ
…まあ、あいつが言いたいことも、俺はわかってるつもりだけどな」
困ったように笑って。
それに、スーちゃんは苦しそうな顔を反らした。
「…、あの、…天祥院のお兄様に伺う前に
……貴方に、お伺いしたいのです」
息を飲む音が、聞こえるような。
一瞬、糸がぴんと張ったような緊張感が走った。
「……貴方はこの世界を、愛していらっしゃいますか」
息を一回、大きく吐いて、
スーちゃんは立ち止まり、目の前でまっすぐ見返しまーくんにはっきりと言った。
「…もし、私達が万が一にも、この世界を消すという選択をするならば
貴方は、どうしますか」
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まひる(プロフ) - 朔さん» 長かったのに最後までありがとうございました(/´△`＼)そう言っていただけると本当に嬉しいです！新作も是非読んでいただければと思います(*’ｰ’*)ﾉありがとうございました(人*´∀｀) (2019年8月1日 21時) (
レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - 最終章までお疲れさまでした。最初から最後まで楽しく読ませてもらいました。内容もしっかりしてて読んでて凄く楽しかったです！新作、楽しみに待っています！ (2019年8月1日 19時) (レス) id: ba31d19644 (このIDを非表示/違反報告)
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