愛され、愛す。 ページ44
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瞬きをして、ぼうっとする俺に
セッちゃんは立ち上がり、そっぽを向いて言った。
「何惚けてんのぉ
…ようやっと思い出したんでしょ」
すれ違い様に頭にぽんと手を置いて、お兄ちゃんぶって。
同い年のくせに。
「お話ししな、Aと
待ってたんだよ、あんたのこと」
そう言われて、流れるように視線を移す。
すると、同じくきょとん、とした目がぱちっと合って
Aは頬を染めて微笑んだ。
「…凛月だ
夢の中ぶり、だね」
「……うん
…夢の中じゃ、”リツさん”なんて呼んでくれちゃってね」
セッちゃんと月ぴ〜は、黙って部屋を出ていく。
部屋には、俺とAの2人だけになった。
「夢の中じゃ記憶がなかったから
…凛月はずっと守ってくれたのにね
……ずっとずっと、傍にいてくれた
泉くんもレオくんも、嵐も司も皆」
「…皆何だかんだ言ってAが大好きだからねぇ
……、皆とはもう話したの？」
「うん
一番最初にレオくんと泉くんが来てね
でも、その時の泉くんの記憶は戻ってなくて
…それなのに、泉くんはぼろぼろ泣いて私に”あんた誰”って
……忘れてたのは悲しかったけど、それ以上になんか、あんな顔の泉くん見たことなくて、新鮮だった」
ベッドに座っていたAに、俺は離れたところの壁に寄りかかったままで、
その話をただ聞いていた。
「レオくんはいつも通りだったよ
笑って、”遅くなった”って
”約束を果たしに来た”って
…まっすぐな目は、揺れてたけど
それですぐにね、曲作り、始めちゃった
…その曲で泉くん、思い出してくれたんだ、凄いよね」
目を閉じて、耳だけで。
どんな顔をしてるかはわからなかったけど、
声はすっごく、優しかった。
「その次が、嵐。
走ってきたのかな、息が上がってて
お母さん達も驚いてたんだけど
私を見るなりしゃがみこんで俯いちゃって
…でも、手を握って、すっごく小さな声で”ごめんね”って
泣いてたのかなあ、嵐も、手が震えてたや」
皆の姿が、想像できる。
Aの事になると、回りが見えなくなっちゃうところ。
俺も、おんなじで。
「司は、凄かったなあ、顔が
走ってきたし泣いてきたしでね
…”ごめんなさい”って、”騎士失格です”なんて
でもすぐに、笑ってくれた
”お姉さま”って、また呼んでくれた」
Aは俺に手を差しのべ、笑った。
「最後に、凛月が来てくれた」
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まひる(プロフ) - 朔さん» 長かったのに最後までありがとうございました(/´△`＼)そう言っていただけると本当に嬉しいです！新作も是非読んでいただければと思います(*’ｰ’*)ﾉありがとうございました(人*´∀｀) (2019年8月1日 21時) (
レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - 最終章までお疲れさまでした。最初から最後まで楽しく読ませてもらいました。内容もしっかりしてて読んでて凄く楽しかったです！新作、楽しみに待っています！ (2019年8月1日 19時) (レス) id: ba31d19644 (このIDを非表示/違反報告)
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