ひとりはみんなの為に ページ26
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目を開けると、そこは水の中。
こぽこぽ、と泡の音。
何故か、全く苦しくなかった。
そして、上を見上げても空らしい空が見えない。
でも、暗くない。
酷く透明の海。
生き物もいない。
まわりには、誰も
『リッツ！！』
その声に振り返ると、口から物凄い泡を出して何かを喋るレオ。
『ごぼごぼ』としか、俺には聞こえない。
『ちょっと、…何言ってるかわかんない』
『セナは！？セナは何処行った！？
っていうかここは何処！？
海！？湖！？川！？』
『大きい声出しすぎ…
頭割れちゃう…』
ただっ広い水の中。
泡の音しか、耳は受け入れない。
…セッちゃんは一体何をした？
…エッちゃん達は何処にいる？
この水に殺傷能力があるとは思えない。
とすればこれは空間設計みたいな術？
…いや、それだけじゃない
でなければこの術の直前、セッちゃんはあんな顔をしない。
『…リッツ
おまえ、ここで力、使えるか？』
『…え？力、？』
言われて何気に手を出した。
水圧のせいか、体のバランスがとりにくいし、到底剣を振るのは不可能。
『……、！』
普通、水の中でも俺の火はつく。
その筈なのに、今、火はつかない。
この水が、俺の体を覆って、離さない。
『……何、これ』
『力が封じられてる』
俺はまた、辺りを見渡す。
この状況の打開策は。
「……ん、？」
不意に、鈍い音。
水を動く、何かの音。
『リッツ……！！』
レオが俺に向かって手を伸ばした。
手と手が触れる前に、俺の体が強く後ろに引かれる。
腹の辺りに巻き付く何か。
「……っ…！？」
“水蛇“。
俺の体に強く巻き付いて、俺を絞める。
「…ん”……っ…」
『セナっ…！！
何やってんだよ…っ！！
リッツだぞ…っ、やめろ…！！』
首には辛うじてそれは巻き付いていない。
それだけが不幸中の幸い。
『蛇……っ…？
…セッちゃん……何をっ…』
『リッツ…っ…！！』
後ろに強く引かれる。
傾いた体を立て直すのを、水圧が邪魔する。
その瞬間に俺を包んだ水の渦。
ここも何故か、苦しくはない。
でも、何故か妙に眠くなった。
咄嗟にまずいと思って、伸ばした手。
それを掴み、俺を引っ張りあげた姿は
そこにはいるはずのない奴だった。
「もうだいじょうぶですよ
あなたも、あなたのともだちも…♪」
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まひる(プロフ) - 朔さん» 長かったのに最後までありがとうございました(/´△`＼)そう言っていただけると本当に嬉しいです！新作も是非読んでいただければと思います(*’ｰ’*)ﾉありがとうございました(人*´∀｀) (2019年8月1日 21時) (
レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - 最終章までお疲れさまでした。最初から最後まで楽しく読ませてもらいました。内容もしっかりしてて読んでて凄く楽しかったです！新作、楽しみに待っています！ (2019年8月1日 19時) (レス) id: ba31d19644 (このIDを非表示/違反報告)
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