行方知れずの希望 ページ2
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「………、…無いって、どういうこと？
斎宮がその本を持ってるっていうのも嘘なの？」
「…いや…」
みかりんは曖昧に首を振った。
「…どうなんかなあ…」
「…ちょっと急に、どうしてそんなに歯切れが悪いわけぇ…？」
視線を泳がせたみかりんが、触れていた本棚を僅かに押した。
「ああ…、…それについて引っ掛かってることがあってなあ…？
そんで、水晶を見てたらちょうど先輩が来る言うから、その話をしようていう話になってん」
「…なるほどねぇ
だから待ち受けてたわけだ」
「セナ先輩はよう頭がきれるからなぁ
頼りにしてるんよ、お師さんもおれも
お師さん、セナ先輩」
笑ったみかりんが、本棚を押して出来た隙間の向こうに声をかけると、
その向こうからそいつは姿を現す。
その手元には、何かを映している水晶もあった。
「やあ、セナ
こうして二人でまた会い見えることになるとは、思いもしなかったよ
気分はどうかね」
「…おかげさまで最悪
今は主とも引き離されてるしねぇ
精神を常に使ってるよ」
「それは気苦労なことだ
少しは休みたまえよ、せっかくの美貌が荒れてはいけない
……まあ、茶番はここまでにして
…影片、どこまで話した？」
「本題の前まで話したで
後はお師さんに付け足してほしいわあ
おれはまだよおわかってなくてなあ」
「…充分だ
では、話をしよう、セナ」
左右びっしりと詰まった本棚を見渡したセッちゃんに、斎宮は口を開く。
「…僕達が不思議に思ったこと
それは、”記憶”についてだ」
「…”記憶”、？」
斎宮は、指で一つの本を本棚から引きずり出す。
ふわふわと浮き、目の前に降りてきた本を、セッちゃんは手にとって、首を傾げた。
「…何、これ？」
「我々の記憶に関する物事をまとめた本だ」
「……、…俺達の、記憶？」
頷いた斎宮の手元で、小さな人形が動き出した。
その人形が、笑う。
『調べてみると、ここ最近の記録はあるんだけれど、4〜5年前の記録になると、急にまっさらで何もないの
つまり、過去の記憶の欠陥
…それが、この世界に関係しているかも、って』
「…何で記憶が…？」
『それはわからないわ
…でももし、この法則が成り立つんだとすれば
宗くんが本について覚えていないのも説明がつくの
だから、もしかしたらこの図書館の何処かに
本当に彼が言っていた本はあるのかも』
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まひる(プロフ) - 朔さん» 長かったのに最後までありがとうございました(/´△`＼)そう言っていただけると本当に嬉しいです！新作も是非読んでいただければと思います(*’ｰ’*)ﾉありがとうございました(人*´∀｀) (2019年8月1日 21時) (
レス) id: f98a768e19 (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - 最終章までお疲れさまでした。最初から最後まで楽しく読ませてもらいました。内容もしっかりしてて読んでて凄く楽しかったです！新作、楽しみに待っています！ (2019年8月1日 19時) (レス) id: ba31d19644 (このIDを非表示/違反報告)
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