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Story 5『 cherry blossoms 』 ページ29
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桜の花片が散ってきて、緑へと変わってきた。
肌寒さも、段々蒸し暑さへと変わっている気がする。
「Aちゃんって可愛いよね〜
スタイル良いし、性格もすっごく可愛い♪」
「急にどーした、キモい」
「…確かに、A先輩は綺麗で良い人だと思うが」
暗いステージで、”夜闇の魔物”は微笑んだ。
「今日のリハ終わったら、デートしてもらう約束、してるんだよね〜♪
Aちゃんわかってる♪」
「…道理で薫くんが素直にリハーサルに来るわけじゃ
嬢ちゃんも、飽きもせずにお人好しじゃのう
度々この薫くんのデートに付き合うなんぞ」
「ひどいこと言うね？
というか朔間さん、プロデュース以外でAちゃんと話してるところ見たことないよ…？
…まあ、Aちゃんがお人好しっていうのは同意するけど」
けらけらと、彼らは楽しそうに笑う。
彼らの100%のライブは、あまりない。
「嬢ちゃんは見ていて、お転婆な娘じゃよ
証拠に、よく笑う
…最近の笑顔は、少し違っているようじゃが」
赤い瞳は、その暗闇で一層輝く。
ステージ下の少女を横目に、大きなライブの爆音の中
”吸血鬼”はマイク片手に妖艶な笑みを浮かべた。
「……まあ、”お主ら”には、わからんじゃろうなあ」
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──少女の『本当の姿』はどれ？
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