155 そっと水面に沈めた ページ5
凛月side
「……泉、」
「……」
静まり返るスタジオ。
セッちゃんがあんなに怒るなんてね
「……ふぁ〜ふ、…
……じゃ、…俺は寝よっかなぁ」
「凛月ちゃん、…泉ちゃんが」
「それはそっちの問題でしょ〜…?
俺は関係ないもん、気になるなら追い掛けたら?
……別に、他人の煩いを解決してやろうとか、そーゆー優しさは俺に無いから
そう思ってるんだったらちょ〜うざい」
「……っ……」
何も言えなくなって、ナッちゃんは押し黙る。
「……私、謝ってくる」
「謝って、どーすんの?」
「………え?」
ポカン、とAは転がる俺を見た。
「……どうする、って?」
「……ほら、わかった?ナルくん。
これが、今の現状。
ナルくんも思い知ったんじゃないの?
Aは俺らの姫様。それ以上何物でもない。
それ以上の感情を持っちゃったら、それはもう捨てるしかない。
今のセッちゃんにAが声かけたって、傷に塩塗るだけだけど?」
「……な、何言ってるの…?」
「……凛月ちゃん……」
「…余計なお節介って、知らな──」
突然、首が締められて、同時に頬にビリビリとした痛み。
「………何すんの」
「………それ以上言ったら許さない」
「……あ、嵐……っ!?」
後に、ナッちゃんが俺を殴ったって気がついた。
ナッちゃんの手を払い、鞄を掴む。
「………俺帰る」
「…勝手になさい」
「………り、凛月っ」
「ほっときなさい、A」
冷酷なその声に、Aはピシャリと止められる。
その声を聞いて、スタジオの扉を閉め、廊下を歩く。
「………あーぁ」
.
.
空はまだ明るくて。
「…凛月?どうした、その頬」
「…………転んだ」
.
もうどうしようもなくなって。
溢れそうな涙を必死に堪えて。
誤魔化すように、笑って見せたんだ
.
.
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まひる(プロフ) - 凛音@桜ト共ニさん» ありがとうございます!涙なんて、感動していただけるような作品が書けてとても嬉しいです!そうですね、飽きてしまう方が多いですが…そう言って頂けると凄く嬉しいです!最後までお読みいただきありがとうございました! (2017年4月5日 22時) (レス) id: 0f7815a34d (このIDを非表示/違反報告)
凛音@桜ト共ニ - 祝!完結です! 最後の方は涙が止まらず…私は長編物になると飽きちゃうんですけど、作者様の文才に惹きつけられたみたいです♪これからも応援しています♪ (2017年4月5日 21時) (レス) id: e79ec8aaed (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - とりねこさん» 嬉しいです…!ありがとうございます!そうですね、終わるのはとっても悲しいですが、最後まで読んでいただき本当に嬉しかったです!本当にありがとうございました! (2017年3月30日 7時) (レス) id: 0f7815a34d (このIDを非表示/違反報告)
とりねこ(プロフ) - とても良いお話でした!もうめちゃくちゃ感動しました!終わってしまうのは悲しいですが、心に留めておきたいと思います。最高でした! (2017年3月29日 23時) (レス) id: a8eb45403d (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - うさみんとさん» ありがとうございます!安心しました…!最後まで読んでいただきありがとうございました!これからも精一杯頑張ります!本当に、ありがとうございました! (2017年3月29日 15時) (レス) id: 0f7815a34d (このIDを非表示/違反報告)
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