第八幕 『 半妖 』 ページ29
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学校へ一歩、足を踏み入れた途端に、
首元、それに隣のナルさんにも『バチッ』と、電撃のような光が走った。
「…いっ、イズミさん…!?」
いつの間にから蛇から姿を現していたイズミさん。
「……いってぇ……」
「………ちっ……
結界……?…それも…霊や妖を拒む最高濃度の結界……
これを張れるのは、……」
ナルさんの頬に一本の火傷の様な傷。
イズミさんの腕の一部が、きらきらと水になって消えている。
「………おや、久しぶりだね
月永くんも。
君達が居た頃とは違うからね。
鳴上くんは入れないよ、そこの妖くんも」
突然姿を現した青年を見て、皆は身構えた。
私だけが、頭を傾げる。
「……天祥院英智……」
「皇帝か〜
久々に来て最初に見るのがおまえって……今日はついてないな〜」
「ふふっ、月永くん、相変わらず冗談が過ぎるね
久々に話したいと思って待っていたんだよ
最近街に出没する"鬼"の事でね」
「じゃあこの結界を解け」
「最近鬼が多いんだ。この辺も。
だから、結界を解くことはできない。
……でも、それで君達が入れないのは困るから…
真緒、この子達に霊術を施してあげて?」
レオさんに皇帝と呼ばれた青年が、『真緒』という呼び名を口にした途端、
リツさんの表情が強ばった。
「リツ」
「……まーくん」
まーくんと呼ばれた青年が、手に光を集めて、それをナルさんとイズミさん、それにリツさんに向かって放った。
「それで、一時的に結界の中に入れるようになる
真緒はこの学舎の中でも優秀でね」
「とりあえず中に入るぞ
…話は後にしろ、リッツ」
「………」
ピリピリした雰囲気の、皇帝とレオさん
何故か結界に拒まれた、ナルさん
リツさんが、悲しそうな瞳で見つめる、真緒という青年。
皇帝を見て、黙り込む隣のイズミさん
「…お姉さま、参りましょう」
私の手を取るツカサさんも、なんとも言えない表情をしていて。
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ただ引かれるがまま、私は結界に足を踏み入れたのだった。
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まひる(プロフ) - ルーズリーフさん» はい!ありがとうございますσ(*´∀`*) (2017年1月18日 17時) (レス) id: 0f7815a34d (このIDを非表示/違反報告)
ルーズリーフ(プロフ) - 描いたらTwitterにでも載せさせて頂きますね! (2017年1月18日 17時) (レス) id: 9ef140d722 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - ルーズリーフさん» はい!ぜひ~っ♪ありがとうございます!頑張りますね♪ (2017年1月18日 17時) (レス) id: 0f7815a34d (このIDを非表示/違反報告)
ルーズリーフ(プロフ) - 本当良いんですか?!嬉しいです早速描かせていただきます!2章も楽しみです♪ (2017年1月18日 17時) (レス) id: 9ef140d722 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - ルーズリーフさん» お描きになってくださいって言い方はおかしいですけど…笑 描いていただけるのならこちらとしてはすごく嬉しいです(*´ω`*) (2017年1月18日 7時) (レス) id: 0f7815a34d (このIDを非表示/違反報告)
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