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繋ぎし手 ページ27

晴れ晴れとした朝のはずでも、

"妖世界"と呼ばれたこの世界の空は何故か赤い夕方のよう。



太陽も、不気味に赤く光っていた。








「……夢の世界みたいですね」




「…まぁ、そーだろーねぇ


太陽も昼間の空も、みーんな赤い
Aが居た世界と唯一同じだったのは真っ黒な夜空だけ

ま、星も綺麗だけどねぇ
月がデカすぎて見える範囲狭いけど」





「ふふっ、そうなんですか

見てみたいです」






「昨夜の宿の窓から見れば良かったじゃん…?

ま、夜空なんていつでも見れるけどさぁ
……出歩く事はダメだからね。分かった?」






「…はぁ。それはどうして?」






「あの鬼が頻繁に活動しているのは夜だから。

昼間に出ることもあるけどねぇ、ほら、昨日みたいに」






「…あぁ、そういうことですか」







「夜の鬼は昼とは違うよ」






「…強くなってるって事ですか?」







「まぁね


ま、夜出ることなんて無いし、良いんじゃないのぉ?
ね、月永ー」









はーあ、とため息を吐き、そう言ったイズミさん。







少ししてから唐突にイズミさんの手が頭にのって、わしゃわしゃと頭を撫でた。









「……、…手、冷たいです」







「……そりゃ、俺人間じゃないしねぇ、」







「………心が温かい人は、手が冷たいらしいですよ」








「……何が言いたいのかさっぱりなんだけど」









「…………妖だけが、私のホントの友達でした
ここにくるまでは、私が友達だと思った人はいたけど、本当に少なかった」







「……、」









「楽しいですよ
まだ数日も経ってませんけど

イズミさん達のような妖ばかりだったら良かったのに」









そう呟いた私に、イズミさんはポツリと呟いて蛇に戻ってしまった。









『……お世辞なんか言っても何も出ないからねぇ』









首に巻き付いた蛇を指先でそっと撫でて、呟いた。




言い返すように。









「お世辞なんかじゃありませんから」









.









蛇はただ、シュルシュルと舌を出したり入れたりするだけだった。









.

妖の学舎→←夜の明かり



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まひる(プロフ) - ルーズリーフさん» はい!ありがとうございますσ(*´∀`*) (2017年1月18日 17時) (レス) id: 0f7815a34d (このIDを非表示/違反報告)
ルーズリーフ(プロフ) - 描いたらTwitterにでも載せさせて頂きますね! (2017年1月18日 17時) (レス) id: 9ef140d722 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - ルーズリーフさん» はい!ぜひ~っ♪ありがとうございます!頑張りますね♪ (2017年1月18日 17時) (レス) id: 0f7815a34d (このIDを非表示/違反報告)
ルーズリーフ(プロフ) - 本当良いんですか?!嬉しいです早速描かせていただきます!2章も楽しみです♪ (2017年1月18日 17時) (レス) id: 9ef140d722 (このIDを非表示/違反報告)
まひる(プロフ) - ルーズリーフさん» お描きになってくださいって言い方はおかしいですけど…笑 描いていただけるのならこちらとしてはすごく嬉しいです(*´ω`*) (2017年1月18日 7時) (レス) id: 0f7815a34d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まひる | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2017年1月9日 22時

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