【薄桜鬼】新選組の鬼姫２

涙こらえて ページ33

屯所

伊東さんの声がする。

どうやら狂った羅刹を見られたらしい。

土方さんは腕組みして黙ってる。

総司がにっこりと笑う。

沖田「斬っちゃいましょうよ。」

A「賛成！」

ごん、っと頭を土方さんにげんこつで殴られ思わず顔をしかめる。

A「暴力反対です。」

沖田「Aちゃん大丈夫？」

A「大丈夫。」

総司が自らの頭をおさえながら私の頭をさすってくれた。

土方「そう簡単にはいかねぇ。二人共口に気をつけろ。」

伊東さんは屯所を出て行った。

土方さんの部屋。

伊東さんは密かに引き抜きを企んでいたらしい。

御陵衛士という組織を作るそう。

もともと新選組を抜けるつもりだったところに、いい口実を与えてしまった。

A「許せない。」

土方さんがため息をついた。

土方「平助と斎藤が抜ける。」

A「そんな。」

平助は近藤さんより、伊東さんよりの思想。

一くんはわからない。

土方さんのために間者に？

…だとしても二人が新選組から離脱すれば、会うことは出来なくなる。

土方「すまねぇ。」

土方さんが私を抱き寄せて頭を撫でる。

A「こんな別れもあるんですね。」

どうしようもないのだと自分に言い聞かせる。

泣きたいのをこらえた。

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