ハロウィンナイト【常磐順一郎&ソウゴ】 ページ42
※ハロウィン企画第四弾
「それで、あたしがバイトしてる先輩芸人のバーでハロウィンナイトやるんですけど、順一郎さんもどうです?」
「あはは、面白そうだね」
「ソウゴくん達も来ることになってるんですけどね。あの子達未成年だし、あたしも忙しくなりそうだからずっとあの子らを見張ってるってわけにもいかなくて」
順一郎の定位置にあるカウンターに頬杖をつき、透子はため息混じりに言った。
「保護者要員かい?」
「え?いや……。まぁそうっすね」
正直に肯定してしまう透子に、順一郎も言った本人からも笑みが零れる。だが、透子の言うことは尤もだ。未成年者三人をバーに連れていっておいて放置する訳にはいかない。
「ただ、行きたいのはやまやまなんだけど……。やめておくよ。若い人達のパーティに入っていくような柄じゃ無いからね」
「そうですか……。まぁ、断られるは思ってましたけど」
「それでも一応誘ってくれてありがとうね」
「いえ。あ、それよりも。あたし断られると思って面白い物を準備したんすよ」
「面白い物?なに?気になるなぁ」
「じゃあ準備してくるんで待ってて下さい」
透子は自室へと駆けて行った。一体何をするつもりなのやら、期待半分で待っていると。十五分後、彼女は生活スペースへと続く廊下の入り口から顔だけを出して「お待たせしました」と順一郎に声をかける。
「あぁ、びっくりした。それで、何を見せてくれるのかな?」
「うーん、順一郎さんがこれを見て喜ぶとは思いませんけど、面白がってはくれそうなんで。ただあんまり期待しないでくださいね」
「分かった」
透子は顔だけでなく全身を順一郎の目の前に登場させ「ジャーン!」と両手を広げた。その姿に順一郎から思わず感嘆の声が出る。
いつもの柄シャツとパンツ姿とは打って変わって、セクシーなミニ丈のワンピースは彼女の女性らしい身体の曲線を強調していた。しかもそれはただのワンピースではない。紺のベースに合った真っ赤なベルトがくびれの辺りに締められ、胸から裾まで左右対称に金のボタンが付いていて。その脇にはベルトと同じ赤のラインが入っており。首には赤いスカーフが巻かれている。そしてその服にあった紺ベースの小さなトーク帽を頭に付ければ、男の夢でもあるキャビンアテンダントのコスプレ衣装の完成だ。
「どうです?ウケるでしょ?」
「あぁ……。ウケ、はしないけど……。凄く綺麗だよ」
10人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:サインバルタ | 作成日時:2019年9月25日 10時