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逸した頬に唇を寄せた。驚いて目を見開き彼女の方を向く。潤んだ瞳が惣一を捉えると、彼女は震える唇を開いた。

「わたしが探して見つけに行きますから。そして、付いて行きますから」

刹那。惣一の胸に熱い電流が走った。それは、季実子が初めて惣一と出会った時の衝撃と似ていた。また感情が生まれたのか。だとしたら、何と言う名の付いた感情なのか。そっと胸を抑えながら脳内で考える。しかし、考えるよりも先に彼は行動していた。欲のまま動く自身の体に身を任せて。
 それは、二度目の口づけだった。一度目の時よりも長く、深い口づけ。同時にかき抱く様に彼女を抱き締める。一度目の打算に満ちた物とは違い、衝動に操られながら惣一は季実子を求めた。季実子もまた惣一と同じく、縋り付くように彼を求める。蕩けるような甘さで脳が痺れていくのを感じながら、二人の影は朝日に照らされるまでずっと重なっていた。きっと彼女にはこの選択を悔いる時が来るだろう。だが、それでもよかった。何もせず離れていく惣一の背中を見つめ嘆くよりも、共に堕ちてから悔やむほうが、彼女にとっては何倍も良かったのだから。もう誰も彼女を止めることはできない。季実子は正しく風のような女だった。





あとがき
タイトルは夏木マリさんの「裸の青春」です。
最後の方の文は曲中の「たった一度の青春を 悔い無きようにと云うけれど 春の嵐の過ぎたあと 何もしなかったと嘆くより あぁ 過ち悔やむ方がマシ」という歌詞に当て嵌めました。この歌詞、とても攻撃的で好きなんですよね。季実子の性格を表した曲でもあるので、是非一度聞いてみてください。若かりし日の夏木マリさんも、本当に素敵です。

後、分かりづらいかと思われますが「二人の影は朝日に照らされるまでずっと重なっていた」という部分。そこまで長い時間ではありません。スタークとの戦いが終わり戦兎が悲痛な叫びを上げた時点で朝日は出ていますし。季実子が隠れていた物影に朝日が差し込むまでという感じですので。まぁ、長くても十分は経っていません。それでもキスにはかなり長い時間だと思いますが……。

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設定タグ:仮面ライダービルド , 石動惣一 , エボルト   
作品ジャンル:ラブコメ
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うれい(プロフ) - Haiterさん» コメントありがとうございます!マスターと夢主のやりとりは一番楽しんで書いているところなので、お褒めいただき嬉しい限りです!夢主まで好みと言ってくださるとは……!これからも性格の悪い彼女が暗躍しますが、彼らの幸せを願って下さると幸いです^^ (2018年12月9日 15時) (レス) id: 41522bcf43 (このIDを非表示/違反報告)
Haiter(プロフ) - 初めまして、コメントさせていただきます。マスターとヒロインのやり取りが可愛くてニヤニヤしながら、毎回読ませて頂いてます!ちょっとダークなヒロインも好みで大好きです!これからも更新楽しみにしております(*´▽`*) (2018年12月8日 23時) (レス) id: fd3983f77f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サインバルタ | 作成日時:2018年11月20日 6時

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