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stage.11【裸の青春】 ページ28

結局、その日はnascitaに行くことなく。惣一とも会わなかった。細坪の言葉と惣一に対する疑念と相反する恋心。全てが混ざり合って混乱し、頭を抱えていたのだ。二日続けてレッスンも仕事も無かった季実子は、家の中でただただ惰眠を貪っていた。眠っている間は何も考えずに済むと思ったからである。しかし、夢にまで惣一が出てきてしまい、季実子は目覚めてすぐにまた頭を抱える羽目になり。寝ても覚めてもとは正にこの状態だ。

「初めて会った細坪さんから見ても、惣一さんは悪い人に見えてしまうんだなぁ」

逆に美空達の目の方が、惣一に近い分彼への視線は曇っているのかもしれない。そして、季実子自身も。彼のことが好きだから違うと自分に言い聞かせている。そう考えると、やはりどうしても彼への疑念は益々強まるばかりであった。そして、それでも恋心が一切消えないことに、季実子はただただ戸惑うのだ。しかし、こうして家に篭っていても気は晴れず。今脳に渦巻いている様々な問題を、一つでも解消しなければ気が済まなくて。季実子は一つ、あることを思いついた。

「惣一さんとブラッドスタークのことばかり考えていたけど……」

それを取り巻く仮面ライダービルド。即ち戦兎達のことであるが。彼らは今どういう状況にあるのだろうか。石動惣一に近づくには、どうしても彼らの存在は欠かせないらしい。今までの様に無関係のフリをしてやり過ごすのは、もう無理なのかもしれない。最後に彼女が得た情報といえば「万丈龍我に濡れ衣を着せたのはブラッドスタークだった」ということだけだ。もしかしたらnascitaではもう戦兎か紗羽あたりがブラッドスタークの正体に見当をつけていてもおかしくない。思い立ったが吉日。季実子は急いで支度をすると、慌ただしくnascitaへと向かった。ブラッドスタークと仮面ライダービルドは切っても切り離せないほど繋がっている。

「なんでそんなことも忘れてたんだろう……!」

この日が正に運命の日になるとも知らず、季実子はnascitaへの道をひた走るのだった。
 nascitaの扉を開けると。冷蔵庫からドタドタと大きい音を立てながら、美空が飛び出してきた。彼女は真っ赤に腫らした目をぱちくりと瞬かせると、季実子の姿を確認し「なんだ、季実子かぁ……」と、がっくり項垂れる。

「な、なんだってなによう!数日ぶりに可愛い季実子ちゃんが姿を見せたっていうのに」

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設定タグ:仮面ライダービルド , 石動惣一 , エボルト   
作品ジャンル:ラブコメ
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うれい(プロフ) - Haiterさん» コメントありがとうございます!マスターと夢主のやりとりは一番楽しんで書いているところなので、お褒めいただき嬉しい限りです!夢主まで好みと言ってくださるとは……!これからも性格の悪い彼女が暗躍しますが、彼らの幸せを願って下さると幸いです^^ (2018年12月9日 15時) (レス) id: 41522bcf43 (このIDを非表示/違反報告)
Haiter(プロフ) - 初めまして、コメントさせていただきます。マスターとヒロインのやり取りが可愛くてニヤニヤしながら、毎回読ませて頂いてます!ちょっとダークなヒロインも好みで大好きです!これからも更新楽しみにしております(*´▽`*) (2018年12月8日 23時) (レス) id: fd3983f77f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サインバルタ | 作成日時:2018年11月20日 6時

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