明けの三日月 ページ22
*
一昨日、藤ヶ谷の家に彼奴の荷物を届け、向こうに置いたままだった自分の荷物を全部持ち帰った
お互いの家にお互いの痕跡が何も無くなった状態
一緒に合鍵も置いてきたけれど…当然藤ヶ谷から電話やメールが来るなんて事もなく、
スマホに届く通知は仕事関係や地元の友達からの久しぶりの連絡だけだった
せめて、何か一言ぐらいあっても…なんて思うも、向こうは完全に俺を避けてる状態
自分から別れをきり出す必要が無くなった
ぐらいにしか考えてないかもしれない
(俺はいつまで期待してんだよ…。自分で決めたのに…)
キッパリ、藤ヶ谷との関係を終わらせる為にやった事だ
今更後戻りも出来ない
「…ミツ？ ミツ」
「…え、 ぁぁ悪い。なに？」
思考がすっかり彼奴の事で占領されて二階堂に呼ばれていたことにすぐ気付けなかった
「今日これでもう終わりでしょ？俺達の仕事終わったら千賀と3人で久しぶりにご飯行かない？」
「宏光が好きそうなお店見つけたんだ。一緒に行こうよ」
「……ぁー…」
二階堂から食事に誘われる事は特段珍しくない
そこに千賀も居たとて、二人が元々仲が良いのはグループ内でもファンも周知の事実なのでたまには最年長と末っ子二人の三人水入らずも悪くないだろう
…ただ恐らく今日声を掛けられたのは、
「ごめん、今日は止めとくわ。何か疲れててさ。明日も早いし。今度必ず埋め合わせするから」
「……そう、」
「ん。ごめんな？」
理由は俺が断ったからとは明らかに違うであろうと分かるもそこに自ら触れることはしない
シュンと眉尻を下げる千賀の頭を優しくポンポンと撫でた
「…ねぇ、ミツ。 大丈夫なの？」
「え？」
「俺達皆、気付いてない訳じゃないよ。本調子じゃないのだって、原因ハッキリしてるんでしょ？」
「……っ」
案外…なんて言えば怒られそうだが二階堂はかなり鋭い感覚を持っているし、ライブの演出を任せる様になってからより周りを客観的に冷静に見て判断出来るようになってきたと思う
正直昔はヤンチャばかりでかなり心配だった此奴も、自分の感情に素直で喜怒哀楽がハッキリと出やすい千賀も
良い部分はそのままにすっかり大人として成長しているんだなと、改めて実感しては少し感慨深くなる
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kurumi(プロフ) - aaaさん» 切なくなったりドキドキしたり…そんなお話が書けたらと思っていたので楽しんで頂けていたら何よりです(*´˘`*)私もFさんは月のイメージでした。でも此のKiさんにとっては太陽なんですよね。逆にFさんにとっては…。ありがとうございます！最後までよろしくお願いします (2022年10月5日 22時) (
レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
aaa(プロフ) - このお話、いったいどう着地するんだろうとドキドキしながら読ませて頂いてたのでちょっとホッとしてます。Fくんって太陽の太が入ってるのに月のイメージなんですよね。。月の満ち欠けで進むお話素敵ですね。続きが楽しみです。 (2022年10月5日 19時) (レス) @page27 id: 28fb511570 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kurumi
| 作成日時：2022年8月4日 0時
