☾ ページ14
*
「……最近、夢、見んだ…」
「…夢?」
「ん。 …幸せな夢だったら良かったんだけどなぁ。 …彼奴に、藤ヶ谷に、"別れよう"て言われる夢」
「…ぇ…っ、」
「………」
「しかも同じのを何度も何度も」
小さく声を零した宮田と、その大きな目を更に大きく開いた玉森
そりゃ、幾ら夢だって言ってもいきなりこんな話すればそういう反応にもなるだろう
俺と藤ヶ谷が付き合ってることはメンバー皆が知っている
恋人となった時すぐに、知っていて欲しいという気持ちと、同性のメンバー同士で恋愛関係になってしまった事実を謝ると同時、せめて一番身近な彼等には認めて欲しい
そんな我儘で打ち明けていた
驚きはしてたものの、否定も怒られることも無く
皆一様に「おめでとう」「良かったね」と祝福してくれたのが何よりも嬉しかったのを今でも覚えてる
そして五人は一番傍で、一番俺達二人の事をずっと見守ってきてくれていた
たまに酔っ払った二階堂にあれこれ根掘り葉掘り聞かれるのが少し鬱陶しかったけど
どうせ翌朝起きたら忘れてるのを良い事に、俺もこっそり惚気話を聞かせたりしてた
そんなん、素面の人の前では恥ずかし過ぎてとてもじゃないけど出来ないから
怖いものなんて何も無い
そう本気で思えるぐらい幸せだったあの頃を思い出しては胸の奥がギュッと締め付けられる
「まぁ、でも多分、ただの夢じゃなくて正夢かもしれないけどさ。二人も彼奴の態度見ただろ? 全く同じなんだよ、夢の中と。 …最近向こうが忙しいから負担になっちゃいけないって、まともに会ってなくて。もしかしたら前からっぽい不調に気付いてやれなかった事や、もっと俺が構ってやれなかったのが冷たくされる理由かもしれない。 …それは完全に俺がいけないし俺のせいなんだから」
「ミツ、」
「幾らなんでもそれは…」
「いや、考え過ぎなんかじゃないよ。人一倍寂しがり屋だって、忙しければ忙しい程自分からは言い出せない彼奴の性格分かってた筈なのに。俺は何もしなかった。 …当然だよなぁ。呆れられたって」
話しながらどんどん虚しさだけが広がっていった
目の前に居る二人も宮田は眉尻を下げ、玉森はギュッと眉間に皺を寄せている
…ほら、だから、お前らにそんな顔させたかったんじゃないんだ
俺の話でもそうやってまるで自分の事のように傷付いたり、悲しんだりしてくれる優しい二人だから
ごめんな。こんな話聞かせて。これで最初で最後だから
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kurumi(プロフ) - aaaさん» 切なくなったりドキドキしたり…そんなお話が書けたらと思っていたので楽しんで頂けていたら何よりです(*´˘`*)私もFさんは月のイメージでした。でも此のKiさんにとっては太陽なんですよね。逆にFさんにとっては…。ありがとうございます!最後までよろしくお願いします (2022年10月5日 22時) (レス) id: 65b4911c20 (このIDを非表示/違反報告)
aaa(プロフ) - このお話、いったいどう着地するんだろうとドキドキしながら読ませて頂いてたのでちょっとホッとしてます。Fくんって太陽の太が入ってるのに月のイメージなんですよね。。月の満ち欠けで進むお話素敵ですね。続きが楽しみです。 (2022年10月5日 19時) (レス) @page27 id: 28fb511570 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kurumi | 作成日時:2022年8月4日 0時