誘拐：36 ページ43
ダァンｯｯ
とまではいかなかったが結構な音を立て、俺は久しぶりに外の世界の土を踏みしめた。
といっても数日振りって程だが。
睨んだ通り柔らかい土で思ったよりは衝撃を吸収してくれたものの、何せ２階から飛び降りたのだ。
足の裏からじんわりと痛みが押し寄せる。
骨が軋む感覚に思わず歯を食い縛った。
その上、左腕が使い物にならないのも手伝ったのかどうやら足を挫いてしまったらしい。
飛び降りた後のことをしっかり考えていたのかと問われれば歯切れよくハイとは言えないだろうが、もし体の何処かを折ったりヒビを入れたりしていたとしても、元より這ってでも出口には辿り着くつもりではあったのだ。
むしろこれくらいで済んで幸運だったと言えるのかもしれない。
そう考え、捻挫など何でもない(いや実は結構痛い)、とにかく出口を探さねば、と立ち上がろうとしたその時だ。
「…………あ。花宮、？」
聞き覚えのある声とよく見慣れた顔が、建物の角からひょこりと現れた。
「良かった、生きてたのか。
随分探したぞ。」
何でもないような顔をしてさらりと縁起でもないことをいう男、瀬戸健太郎。
いつも通り、淡々と。
ポーカーフェイスは相変わらずである。
瀬「おぉーいお前らぁ、花宮見つかったぞー」
健太郎がそう建物の影に向かって声を掛けると、光の速さで何か黒い物体が飛んできた。
「はなみやぁｯｯ!!!!!!」
「ぐぇ!?」
軽く吹っ飛んで背中を打った。
一直線に俺の腹に飛び込んできたソイツは、勢いそのままに俺を押し倒すと、体が悲鳴をあげるまでぎりぎりと力を入れてくる。
「花宮、花宮、花宮……!!
心配した……！
今まで俺を置いて何処で何をしていたんだ、心配しすぎて狂いそうだった！
見ろこの隈！
ほとんど寝てないんだよ！
ああ、見つかって本当に良かった……でも俺の胸の痛みは花宮が受けたもの程ではなかったんだろうな。
怪我は無いか？
傷ついてるんじゃないか？
安心してもう俺に全部任せてくれ！
何でもするぞ！」
「ふ、古橋ッ……」
「なんだ！？さぁ、何でも俺に命令してくれ、リーダー！」
「うん…………とりあえず、
ちょっとウザいから離れてくんない？」
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Mae(プロフ) - かぼちゃポンタさん» コメントありがとうございます!!メインの２人以外にも結構時間を割いているので、そんな風に黒子の活躍(？)を見ていただけて嬉しいです笑。レス遅くなってすみませんでした！ (2016年8月30日 16時) (
レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
かぼちゃポンタ(プロフ) - 黒子の締めで笑いました、はい！2見てきます！！ (2016年7月26日 14時) (レス) id: b325383cfb (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - スピカ@しののんとmarvelousへの旅さん» 伏線ともいえない伏線もどきは一応張っていたのですが、やっぱりわかりにくかったですよね……すいません！黒子のほかにも謎はたくさん残してあるので、また推理しながら楽しんでいただけたなら幸いです。コメントありがとうございます！！ (2016年3月30日 20時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
スピカ@しののんとmarvelousへの旅(プロフ) - まさかの、手伝いが、黒子だったとは、、、 驚きのあまり、十秒間口にポカーンてなってました笑 今まで分からなかったところがわかって、すっきりはしたけど、続きを読むのが楽しみです。 本当黒子とか思いませんでした (2016年3月30日 18時) (レス) id: 5f4212bb8d (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - 狐サマさん» 長いこと引っ張ってきた伏線がやっと表に出たので、私自身もホッとしてます笑。花宮はいい意味で期待を裏切ってくれる存在だと思ってるので、読者様に対してもそう在れたのなら幸いです。コメントありがとうございます！ (2016年1月28日 22時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mae | 作成日時：2015年5月12日 22時
