誘拐:37 ページ44
いつも通りの無表情と、少し紅潮した頬。
目はやはり死んだままだが、鼻息が非常に荒い。
フンスフンス言ってる。
……え、怖い怖い。普通に怖い。
ってか気持ち悪ッ。
無表情で興奮してる、って。
思わずいつもとは違う喋り方になってしまった。誰あれ。俺だけど。
それより、締めあげられてる肋骨が痛い。
何だコイツ。俺に新しい怪我をつくらせるつもりか?
感覚がまだ残っている右手で、離れろという意味を込めて古橋の後頭部を殴る。
すると、
古「痛っ。
アッ花宮……、もっとやってくれ!」
「はァ!?」
古「その方が花宮の存在を実感できるから……!
さぁ、早く!!」
「何が「早く」だ気持ち悪いわ!!
離れろテメェ!」
古「……!!その罵倒、久しぶりだな!!
ああ花宮、おかえり!」
「やかましいわ!ぶっ殺すぞ!?」
何なんだよ!コイツこんなキャラだっけ!?
俺がいない間に何をこじらせたんだコイツは。
ヤンデレ?みたいになってんぞ。
擦り付けてくる頬を無理やり押し返しているところで、ようやく後ろでニヤニヤしていた奴らが古橋を引き剥がしにかかった。
「遅ぇんだよ早くこの馬鹿剥がせ」
原「りょーうかいっ、と。
……っフ、」
未だ縋り付いてくる古橋を引っ張り上げながら、原が軽く笑い声を漏らした。
「何笑ってんだよ原……テメェもいつにも増して気持ち悪ぃな」
原「だぁーって久々だよ?このカンジ。
なんか笑けてくるじゃん?」
山「いや全然意味わかんねぇから……つか久しぶりっつっても数日だけだろ?」
原「あらら、そんなこと言っちゃっていいの〜?
お前が一番動揺してた癖に〜。
ってかザキだって笑ってんじゃん?」
山「なっ……笑ってなんか、ねぇよ!
それに、誰が一番とか関係ねぇだろ!?」
瀬「ちょっとお前ら五月蝿いから。近所迷惑だろ。誰かに気付かれたらどうすんの。
あと花宮、怪我してんでしょ。何されたらそんな血が出るのかわかんないけど、そんな適当な止血じゃ止まんないよ。詳しい話は後で聞くけど早く病院行ったほうがいいんじゃないの。」
瀬戸の言葉で全員が現実に戻ったような顔をした。
数日ぶりの再会に浮かれていたが、今いる此処はAに閉じ込められていた部屋の真下、建物の構造的に言えば裏手に居る。
言わば、まだ敵陣の中に居るのだ。
365人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Mae(プロフ) - かぼちゃポンタさん» コメントありがとうございます!!メインの2人以外にも結構時間を割いているので、そんな風に黒子の活躍(?)を見ていただけて嬉しいです笑。レス遅くなってすみませんでした! (2016年8月30日 16時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
かぼちゃポンタ(プロフ) - 黒子の締めで笑いました、はい!2見てきます!! (2016年7月26日 14時) (レス) id: b325383cfb (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - スピカ@しののんとmarvelousへの旅さん» 伏線ともいえない伏線もどきは一応張っていたのですが、やっぱりわかりにくかったですよね……すいません!黒子のほかにも謎はたくさん残してあるので、また推理しながら楽しんでいただけたなら幸いです。コメントありがとうございます!! (2016年3月30日 20時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
スピカ@しののんとmarvelousへの旅(プロフ) - まさかの、手伝いが、黒子だったとは、、、 驚きのあまり、十秒間口にポカーンてなってました笑 今まで分からなかったところがわかって、すっきりはしたけど、続きを読むのが楽しみです。 本当黒子とか思いませんでした (2016年3月30日 18時) (レス) id: 5f4212bb8d (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - 狐サマさん» 長いこと引っ張ってきた伏線がやっと表に出たので、私自身もホッとしてます笑。花宮はいい意味で期待を裏切ってくれる存在だと思ってるので、読者様に対してもそう在れたのなら幸いです。コメントありがとうございます! (2016年1月28日 22時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Mae | 作成日時:2015年5月12日 22時