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誘拐:33 ページ40

『…………』





「つまりは俺の一番の長所だよ。

それは頭で考えたことをそのまま描いた通りに実行出来ること。

これだけだ。」





俺の言葉にAは呆れた表情を見せ、肩をすくめる。




『……何よそれ、散々溜めてそんだけ?


馬鹿馬鹿しい、』





「俺には物事を正確に考えて正確に結論を出せる頭がある。そしてそれを現実に映せる。

要するに、考えさえすれば何でも出来るんだよ。
俺は結果の後に覆されたことはあっても、予測を間違えたことは一度ない。


だから予測さえすればお前ごときの攻撃なんか何も怖くないんだよ。むしろどうやったら殺されることが出来るか、教えて欲しいくらいだぜ。

道具使ったって同じだ。針投げることくらい誰にだって出来るぜ?


それに――――――悪いなァ、ダーツは俺も特意なんだよ。」




昨日投げられた時にくすねておいた一本の針を取り出し、放つ。

一直線にまさしく矢のようにAに向かったそれはAの頬を掠め、赤い一筋の線を作った。

Aは、身じろぎもしない……いや、できない、と言った方が正しいかも知れないが。





「ふはっ……悔しいかったら頭使って俺の予測以上の動きしてみろよ、


バァーカ。」









盛大に、声を張って、上から目線で見下ろすように、嘲笑うように。

俺は喋った。



もちろん、





『うるさい……』








Aが怒りに肩を震わせ、








『さっきから聞いてれば調子に乗って……』









突っ込んでくるのも予測のうちだ。









『ぶっ殺してやるッッ!』





















すぐさま距離が0まで縮まり、足や腕がうねりを上げて迫り来る。

先程のスピードとは比べ物にならない。もはやAの瞳には何も写ってないようで、何かに取り憑かれているようでもあった。


それでも、俺には、一発も当たらない。


「だから言ってんだろ?そんな攻撃じゃ掠りもしねぇよ。

それに考えなしに体だけで来る馬鹿は一番読みやすいんだよ。」




『うるさいうるさいッ!!あたしを否定するな!!




お前なんか、死んじゃえッ!!!』







Aが、大きく一歩を踏み込んだ。


Aのその動きは予測の範囲ですらなく、俺はそれまでと同じように軽くいなす、つもりで。












動けなかった。



















Aの大きく出した右足は、偶然にも俺の左右の足を繋ぐ足枷を踏み。







結果、それは俺の予測出来ない力となり襲いかかったのだ。

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Mae(プロフ) - かぼちゃポンタさん» コメントありがとうございます!!メインの2人以外にも結構時間を割いているので、そんな風に黒子の活躍(?)を見ていただけて嬉しいです笑。レス遅くなってすみませんでした! (2016年8月30日 16時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
かぼちゃポンタ(プロフ) - 黒子の締めで笑いました、はい!2見てきます!! (2016年7月26日 14時) (レス) id: b325383cfb (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - スピカ@しののんとmarvelousへの旅さん» 伏線ともいえない伏線もどきは一応張っていたのですが、やっぱりわかりにくかったですよね……すいません!黒子のほかにも謎はたくさん残してあるので、また推理しながら楽しんでいただけたなら幸いです。コメントありがとうございます!! (2016年3月30日 20時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
スピカ@しののんとmarvelousへの旅(プロフ) - まさかの、手伝いが、黒子だったとは、、、 驚きのあまり、十秒間口にポカーンてなってました笑 今まで分からなかったところがわかって、すっきりはしたけど、続きを読むのが楽しみです。 本当黒子とか思いませんでした (2016年3月30日 18時) (レス) id: 5f4212bb8d (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - 狐サマさん» 長いこと引っ張ってきた伏線がやっと表に出たので、私自身もホッとしてます笑。花宮はいい意味で期待を裏切ってくれる存在だと思ってるので、読者様に対してもそう在れたのなら幸いです。コメントありがとうございます! (2016年1月28日 22時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Mae | 作成日時:2015年5月12日 22時

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