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誘拐:43 ページ1

コンコンコン









形だけのノックをして、返事も待たずにドアを開ける。
どうせ返事は帰ってこないから。



一人用の個室で、窓際のベッドに横たわるAが見える。


あの部屋のソファにいた時と全く変わらない寝顔。
あの時と違うのは、Aが幾つかのコードに繋がれ、機械に囲まれていることだけだ。
















「……遅かったですね」


「う、おっ!?……いたのかよ」


「20分前くらいから居ました」


「仕方ねぇだろ。検査とかいろいろあったんだよ」




Aのベッドの隣に普通に座っていたのは、Aの協力者である、黒子テツヤ。

会話はしているがこっちを向こうという気はないらしく、手元の小説に視線を落としたままである。
まったく可愛げが無い。

コイツは俺(というか霧崎第一)を心底嫌っている。
勿論俺もコイツが大嫌いだ。
ただし、一昨日の夜に出会ってからはコイツ結構イイコちゃんでもなくて割と腹黒いし性格悪いんじゃないかと思ってる。
まぁ、だからといって嫌いにならない訳では無いんだが。


居るなら返事しろよ、貴方が勝手に返事する前に入ってきたんです、などと軽口を叩き合いながら、俺も椅子を引っ張り出してきて座る。

黒子の隣ではなく、少し離れてベッドの向かい側にした。
誰か入ってきて仲が良いと思われたら気色悪いし。







「Aさんはまだ眠っていますけど……あまり勿体ぶるのもなんですし、もう始めちゃいましょうか。」



黒子はその言葉を合図に、Aの意識がないことを確認してから椅子に座り直した。

同時に色素の薄い、どこか眠た気な大きな瞳がこちらを向く。
コイツの目は、ずっと何か観察されているような気がして好きじゃない。
何考えてるか読めないし。






「……さて、どこから話したものやら、」






と黒子は勿体ぶって語り出した。

Aと初めて会った夜のことから話すつもりのようだ。

誘拐:44→



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設定タグ:黒子のバスケ , 花宮
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クロユリ_Leia - 完結まで、楽しみにしてます! 2019年になっていますが、いつまでも待ってますよ! (2019年7月27日 2時) (レス) id: cb3cd906f4 (このIDを非表示/違反報告)
花雀 - 続きが楽しみです!!! (2016年11月20日 14時) (レス) id: 7a0edb0cd5 (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - 白奈さん» 確かめてみたところ、オリジナルではありませんでしたがキーワード設定に不備がありました……ご指摘ありがとうございました! (2016年6月15日 18時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)
白奈(プロフ) - 気のせいだったら申しわけないのですが、オリジナル作品になっていませんか? (2016年6月15日 17時) (レス) id: 37bc689230 (このIDを非表示/違反報告)
Mae(プロフ) - らぁらさん» そう言っていただけるととても嬉しいです!期待にそえるようにかっこいい花宮を頑張って書いていきたいと思います。コメントありがとうございました!! (2016年4月17日 21時) (レス) id: 56d5d2ac75 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Mae x他1人 | 作成日時:2016年3月31日 11時

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