【逃げた】 ページ30
*部活後*
『…お待たせ。』
部活が終わり、
正門で壁に寄りかかっていた、
黄瀬に声をかける。
黄瀬「お疲れ様っス。
じゃ、帰ろうか。」
壁から離れ、
僕に声をかける。
『…うん。』
歩道を2人で歩く。
さり気なく僕の鞄を持って、
車道側を歩いてくれる。
そこら辺は変わってないや。
そして歩いて公園につく。
キーィ…キーィ…
ブランコに乗り、少し漕いでみる。
黄瀬「Aっち、ゴメンっス。」
…また?
僕が顔を上げると、
僕の前の柵に座って僕を見て言う。
『…謝ることなんかないよ。
むしろ僕が謝らなくちゃ、ゴメンね…
僕が…僕がみんなの力を、
開花させちゃったから…』
黄瀬を見ていた顔が、
徐々に下を向き、俯いてしまう。
黄瀬「それは違うっスよ!
Aっちのおかげで、
バスケが出来るようになったんスよ!」
『でもそのせいで、
みんなのチームが崩れた…
笑顔でプレーしなくなったよ…』
黄瀬「それはっ…」
“勝つことがすべて”
それが帝光中の理念だった。
たしかに勝つことも大切。
だけど僕は勝つことがすべて、
そうは思わない。
勝った時、
誰かと勝利を分かち合えなきゃ、
勝つの意味が無いと思うから…
黄瀬「それと…
全中終わってから…
どこに居たんスか。」
全中終わってから…か。
黄瀬「全中終わってから、
部活にも来なくなったっスよね?
それどころか、帝光にも居なかった…」
『…っそれは……』
僕は全中が終わってから、
帝光中を辞めた。
そして僕は…
『…アメリカに居たよ。』
黄瀬「アメリカ…!?」
そう
両親がアメリカに住んでいて、
その近くの中学に転校した。
…みんなから逃げる形で。
黄瀬
「なんで連絡くれなかったんスか!?
一言、声かけてくれればっ!」
『…っゴメン。』
その場に荷物を落とし、
僕の両肩を掴む。
みんなと少しでも離れたかった。
あの場所に居たくなかった…
僕が開花させてしまったみんな。
そのみんなからの冷たい視線を…
あれ以上、浴びたくなかったからっ…
僕はただ、【逃げた】。
黄瀬「…なんで誠凛に?
黒子っちを、選んだってことスか?」
『それは違うっ…!』
背けていた顔を戻し、
黄瀬と目を合わせて言う。
『テツを選んだとか、
そういうことじゃない…
僕が求めるバスケが、
誠凛だったってだけ…
テツが居たってだけだよ…』
黄瀬「…Aっち。
(黒子っちのことは、
あの時の呼び方で呼んでるんスね…)」
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sky(プロフ) - ねむたんさん» ( -`ω-)b (2017年12月11日 20時) (レス) id: f39ec69213 (このIDを非表示/違反報告)
ねむたん - ハイ!よろしくですsky (2017年12月11日 18時) (レス) id: 4ee8225835 (このIDを非表示/違反報告)
sky(プロフ) - いえいえ!全然いいですよ!よろしくお願いします、ねむた!w (2017年12月11日 14時) (レス) id: f39ec69213 (このIDを非表示/違反報告)
ねむたん - ありがとうございます!skyって呼んでもいいですか?僕の事は、ねむたでいいですからね! (2017年12月11日 14時) (レス) id: 4ee8225835 (このIDを非表示/違反報告)
sky(プロフ) - ねむたんさん» いえいえ、嬉しいです!こちらこそ、お友達になってください! (2017年12月10日 15時) (レス) id: f39ec69213 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:sky | 作成日時:2017年12月5日 16時