53 ページ25
2月になった。
本当は1月の末には硝子さんが帰ってくる予定だったが、2週間ほど任務が延長となってしまったらしい。
でも、今日はついにその硝子さんが帰ってくる日なのだ。
つまり私は通常であれば、数日以内に京都校に帰らなければならない。
以前、五条先生に卒業まで東京校に残ってもいいと言われたが、結局まだ結論が出せていなかった。
自分1人ではなかなか踏ん切りがつかないので誰かに相談したかったのだが、教師という立場の人を好きになり、しかもそれがまた呪術界最強の人物ときたもんだ。お門違い過ぎて誰にも相談できなかった。
とりあえず、長期任務に行っていた硝子さんに任務の間の治療の内容や、報告などをするため、私は医務室を訪れていた。
医務室はドアが少しだけ開いており、中で硝子さんと五条先生が話しているのが見えた。
硝子さんと五条先生も久しぶりに会ったのだ。
話に花も咲くだろう。
硝子さんに報告をするのはまた明日でもいいか、と踵を返そうとした時だった。
聞こえてきた会話の中に、美澄という単語が聞こえてきて、思わず足を止めた。
あんまり良くないとは思ったが、何の話をしているのかが気になって少しだけ聞き耳を立てることにした。
「──五条、あんた美澄のことどうするつもりなの?」
「どうって?別にどうもしないけど。」
「東京校に残すかもって言ってたでしょ。どういう風の吹き回し?歌姫先輩が五条をなんとかしてくれって言ってきたのよ。私は美澄が東京に残って怪我人の治療とか手伝ってくれたら助かるよ?でも、あんたは違うでしょ。そもそも担任でもないし。」
五条先生は何も答えない。
「あんた本当は美澄のことどう思ってんの?」
聞き耳を立てていた私の心臓が、どくんどくんと暴れ出した。
怖い。でも知りたい。五条先生が私をどう思ってるのか。
「別に、普通に可愛い生徒のうちの1人だけど。」
「七海も言ってたぞ、最近の五条さんは美澄さんの話ばかりするって。アンタもしかして美澄のこと──」
硝子さんがそこまで言った時、五条先生は吹き出すように笑った。
「ハハッ!ないない!硝子、あの子の資料見たことある?1年の時から任務ばっか行かされてるの。多分、高専入ってから同じ年頃の子たちとほとんど遊ぶ時間もなかったんじゃないかな。もちろん恋愛だってしてる暇なかっただろうし。」
「僕は彼女の青春の思い出作りを手伝っただけだよ。恋愛ごっこという形でね。」
「──相変わらずクズだな。」
454人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢花(プロフ) - ユリ.さん» ふふふwwwそうなんですかwwwこれぞ小説のちか(((殴 メタメタァ (2021年5月7日 9時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ.(プロフ) - 夢花さん» マジで息できないですよね。(笑)終わった後息も絶え絶えになりますもんね!夢主ちゃんも呼吸困難になったと思いますが、ここで死なせてもアレなのでちゃんと息できたことにしてます。(笑) (2021年5月7日 7時) (レス) id: c519aef02a (このIDを非表示/違反報告)
夢花(プロフ) - 普通にこしょこしょは死人でますよ?だって息できないもん{笑ってるから}(・_・) (2021年5月6日 16時) (レス) id: 78d9e81099 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ.(プロフ) - 陽菜月さん» 口から心臓はやばい!(笑)しまってしまって〜(笑)もう少し待っててくだされな!まだ本調子になれず…(;_;) (2021年4月16日 6時) (レス) id: 5035154a58 (このIDを非表示/違反報告)
陽菜月 - もう、続きをワックワック胸を踊らせながら待ってます!!(ワックワック!んあ!?ワクワクしすぎて口から心臓が!?グロイ!) (2021年4月15日 22時) (レス) id: 6820255b8b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユリ. | 作成日時:2021年4月2日 20時