【カゲプロ】メカクシ少女【カノ】

05　kido ページ6

「名字がわからないんですか？」

少し話したあと、

エネがシンタローのスマホから

こちらを覗いて言った。

「うん。

なんかね……幼い頃に両親が

亡くなっちゃって、一人ぼっちに

なってまぁなんとか生きてきたんだけど、

もうどうしようもなくなっちゃった

みたいで……。」

両親のことも覚えてないし、

おじいちゃん、おばあちゃんも

なぜだかいないし、

居候させてもらっていた人も亡くなって、

それで孤児院に入ったんだって、

っとカノは言った。

「そうだったんすか！？

俺、知らなかったっす。」

セトがびっくりした顔で言う。

「俺も……知らなかった。」

首を横に振る俺たちを見て、

当たり前でしょ？

っとカノは小さく笑った。

「じゃあ、まぁ続きといこうか。」

カノが話を再開する。

何が当たり前なのかわからなかったが、

あえて何も聞かず、

このまま、また話すことになった。

皆だんだん興味が沸いてきたのか、

楽しそうに話を聞いている。

よかったな……A。
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