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御幸
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「…つまり、赤ちゃん産めるようになったら女子には月一で血祭りがあんの。わかった?」
沢村「へー」
降谷「…」
御幸「俺らがオブラートに包んだ意味もないな」
倉持「そんなはっきり言うか?」
「恥ずかしいけど知っておくべき知識でしょ!!」
杉本は苦笑いの俺と倉持の背中を顔を真っ赤にして怒ったようにべしっと叩く。
俺が「そんな辛ぇの?」と聞き始めたもんだから、杉本はキレる気力もなく歩き始めた。
「腰と下腹部を内側からヤクザに蹴られているような痛みと頭痛が…」
御幸「壮絶だなオイ」
倉持「……ちょっと先行ってろ」
倉持は寮に着くと、食堂ではなく自分の部屋の方へと階段を上って行って、杉本と俺と降谷と沢村は首を傾げながら食堂に入った。
列に並びつつ、いつも見ないくらいのローテンションな杉本の頭にぽんっと手を乗せる。
御幸「気持ちはわかんねーけどさ」
「うん」
御幸「あんま無理すんなよ」
「…ありがと」
小さく笑った杉本がいつものように「御幸が優しいとなんか裏がありそうだなー」とか言い始めたから「ひでー」と笑っていると、順番がやってくる。
お盆を持って席に座ると、倉持が軽やかに食堂に駆け込んできて、俺たちを見つけると、「いただきます」と手を合わせていた杉本の頭の上からチームロゴ入りのスタジャンをかぶせた。
「…ぶっ!」
倉持「…それ、裏起毛だからあったけーと思う」
「……………」
倉持「貸しとくから着てろよ」
「ありがと…」
御幸「うわ、元ヤンが優しい」
「御幸、倉持は実はジェントルなの、最強のギャップパターン」
倉持「お前らマジうぜぇな!!」
俺と杉本の悪ノリに倉持は顔真っ赤にしてキレると、「あーらしくねぇことした…」と文句垂れながら飯を取りに行く。
杉本は味噌汁を飲む俺の隣で嬉しそうに倉持のスタジャンを着ると「あったかー」と幸せそうにごはんを食べ始めた。
☆
☆
悪いことばかりじゃない
☆
御幸「お前、倉持の上着借りること多くね?」
「倉持のものは私のもの。私のものは私のものだからね」
御幸「おいおいジャイアンかお前は」
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