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沢村「Aせっんぱーい！」
「……なに」
一人で黙々と縫い物をしていると、いきなり部室の扉が開いて一年生5人がぞろぞろと入ってきた。
「どうしたの」
沢村「いや、A先輩が部室でサボってるって聞きやして！」
「サボってねーよ」
春市「A先輩、調子悪いんですか？」
沢村を睨んで返事をすると、春っちが心配そうに私の顔を覗き込む。「うん…まあ」と苦笑いで頷くと、「A先輩でも調子悪いときあるんすね」と金丸に真顔で言われた。
どういう意味だ。
東条「無理しないほうがいいですよ？先輩」
「ありがとう東条…でも大丈夫。お腹痛いだけだし」
沢村「A先輩！！落ちてるものでも拾って食ったんじゃ…」
春市「栄純くん黙ろうか」
私の代わりに察した春っちが沢村をなだめると、黙って私を見ていた降谷くんが、私の手を引いて立ち上がらせる。
「降谷くん？」
降谷「保健室、行きましょう」
「え、いや、ほんとに大丈夫」
降谷「………」
問答無用で引っ張っていこうとする降谷くんに「いやいやいやいや！ほんといいから！」と必死に抵抗する。
女の子の日だからという、他マネにも共通で起こることを理由に出来るだけみんなの仕事を増やしたくない。
東条「先輩、降谷の言う通り休んで来たら…」
「いや、大丈夫」
金丸「熱あるかもしれないっすよ」
「ないないない」
沢村「そーだ！！先輩は無理な時ほど頑張ってしまう性格だしな！！」
「ちょ、話聞いて」
春市「先輩、僕ら仕事やっておきますし」
降谷「行きましょう」
「いや！！だから！！今生理なんだってば！！」
話を聞かない一年生に叫べば、5人ともピタッと止まって私を見る。
私も恥ずかしいことを言ってしまったと、「そういうことだから…」といそいそパイプ椅子に座りなおす。
春っちと東条と金丸が、なんとも言えない赤い顔で「すみませんでした…」と頭をさげる。
「いやいや、ありがとね。心配してくれて」
沢村「先輩……………セイリってなんすか」
「………え？」
沢村「…知ってるか、降谷」
降谷「…整理整頓…」
「いや、それじゃない」
☆
☆
まさかの無知ピッチャー
☆
「………二人とも寮に帰ったら保健の教科書を読み直しなさいい」
金丸「…流石天然記念物…」
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