376. ページ35
.
川上「超疲れた」
「付き合ってくれてありがとう、ノリ」
川上「まあ、俺くらいしか付き合ってくれるやついないでしょ」
「Aを一人で野放しにはできないしねぇ」と笑うノリに「私は猛獣か」と軽く睨むと、「ま、疲れたけど楽しかったよ」と私の頭を撫でて笑った。
埼玉に帰ってきて、初詣行って帰ろうかなんて話しながら神社の方に向かっていると、見慣れた背中が目に入る。
「げっ……」
川上「あ、見覚えあると思えば」
若林「あ、ゴリラじゃん」
「新年早々ゴリラってねぇ!やめてよね!」
「じゃ、サル?干支だし」とバカにしたように笑って私を見るのは豪ちゃん。地元が同じだとこういうところで会うんだよな…。
友達と来ていたらしい豪ちゃんは、「先行ってて」と友達に告げると私とノリの隣を歩き出した。
若林「川上は、新年早々こいつのお守りご愁傷様です」
「ちょっと豪ちゃん!!」
川上「あはは、疲れた」
「ノリまで!!」
若林「そろそろ川上離れしろよ」
バカにしたように笑う豪ちゃんに、新年早々イライラが募る。私と豪ちゃんの相性の悪さといったら相変わらずだ。「くっそキノコ…」と小さい声で呟けば「A、口悪いよ」とノリにたしなめられた。
境内までやってくると、3人で並んでお参りをする。
「………………」
若林「………………」
川上「………………」
「………………」
若林「……5円でいつまで祈ってんだよ」
川上「思いが強すぎてなんか出てるよ」
真剣にお祈りする私に二人は冷たい目線を向ける。「なにをそんなに祈るんだよ」と呆れられた。
監督とあわよくばあんな関係やこんな関係に、
そして甲子園に行けますように、
あとは健康と、学問と、なんやらかんやら欲張ってしまった。
若林「どうせ祈ってもそのまな板は変わんねーって」
「胸のことなんて祈ってません!!!自力でなんとかするわそんなもの!」
若林「無理無理」
「お前!いい加減にしろよ!」
川上「A、落ち着きなって」
どこまでも酷い豪ちゃんに「なんか恨みでもあんの!?」と半泣きで聞くと、「苛めたくなる顔してんだよなー」と嬉しくもないことを言われた。
☆
☆
どんな顔だよ
☆
「きた!大吉きた!」
川上「クジ運いいね、相変わらず」
若林「でもここ。待ち人、こないって書いてあるけど」
「………監督ぅぅ」
☆
今年もよろしくお願いします!
.
1568人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ