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「いやぁー白州はやっぱり大人だったよ」
倉持「流石だな」
「うん、どっかの元ヤンとは大違い」
倉持「おい、殴るぞ」
「あらら?倉持のことなんて一言も言ってな……ごめんなさい」
放課後、倉持と2人で部活に行きながら話していると胸倉を掴まれたので秒速で謝る。生徒玄関まで行くと、靴を履いている見慣れた背中が見えた。
倉持「あ、りょうさ…ん!?」
「しー」
亮介さんに声をかけようとする倉持の口を片手で塞いで、もう片方の手を口に添える。
眉間にしわを寄せる倉持を置いて、そーっと亮介さんの背後に忍び寄ると、がばっと飛びつく。
今度こそと思ったそのハグもまたもやしゃがんで避けられて、バランス崩した私はそのまま亮介さんの前にいた純さんの胸の中へぽすっと着地した。
「…………純さん」
伊佐敷「…なっ!?おまっ!」
亮介「お熱いねー。他所でやってくれる?」
「いっ今のは亮介さんが避けたから…!」
亮介「よかったねー純。杉本に抱きついてもらえて」
伊佐敷「あ!?よくねーよ!!」
なんでもない顔でローファーに足を突っ込むと私と純さんのとなりを飄々と立ち去っていく亮介さん。倉持は「亮さん!一緒に行きましょう!」と言ってそのあとについていった。
またよけられた…と落胆する私に、純さんは「お、おい…」とおずおずと声を上げた。
伊佐敷「いい加減離れろコラ」
「…なに赤くなってるんですか」
伊佐敷「なっなってねぇよバカ!」
「やだ照れないでもいいじゃないですかー」
伊佐敷「照れてねぇって言ってんだろうが」
顔を赤くする純さんが無性に可愛くて、からかいたくなって、そのまま抱きついていると、周りの目線を気にしたのか、そのまま無理矢理ズルズルと私を引きずって歩き出した。
「少女漫画ならここで抱きしめ返して、みんなに祝福されるところですよー?」
伊佐敷「お前は少女漫画のヒロインじゃねぇ。モブだ」
「ひどい!!」
伊佐敷「っつーか、いい加減離れろ!!」
☆
☆
巻き込み事故
☆
「…純さんの胸板、やっぱたまらないですね」
伊佐敷「ま、まあな!鍛えてっからな!!」
「そんなまんざらでもない顔して」
伊佐敷「してねぇよ!」
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