445.↓彼が彼氏だったなら 2 ページ8
.
沢村
.
沢村「………ぐぬぬぬぬ」
「…………ちょっと、頑張ってよ」
目の前でシャーペンを握りしめてうなっている彼に、冷たい目を向けながら「この前教えたじゃんそこ…」と小さくため息をついた。
5号室で勉強を見てあげているんだけど、安定の定着の遅さだ。
沢村「さーせん!!!不肖沢村栄純、A先輩に教わったことは今後一切忘れな…」
「いいからさっさとやれ」
沢村「さーせん!!」
私の珍しく冷静なツッコミに大声で謝ると、また唸りながらノートに向かう。
彼氏のはずだ。
「好き」って言われて付き合ったはずなんだけど、結局前までと何ら変わらない日常。
むしろ、御幸に「杉本、ハチ公が待ってるぜ」とかケラケラ笑いながらからかわれる始末。
(確かに、彼氏ってより忠犬って感じだよなぁ…)
沢村「どうしました?A先輩」
「や、私って沢村と付き合ってるよね?」
沢村「え?俺たち付き合ってねーのかよ!」
「敬語」
沢村「ねーんですかね!?」
「いや、付き合ってる認識あるならいいんだけど」
至極驚いた顔をしている彼に「付き合う前とあんまり変わらないよね、私たち」と言ってのければ、沢村は少し「んー」と考え込むと、照れたようにくしゃっと頭をかいた。
沢村「……俺は付き合う前から先輩のこと好きだったんで」
「……」
沢村「まぁ、変わんないっすよ…」
「………沢村栄純可愛い………」
沢村「ちょ、え!?A先輩!?」
珍しく照れた顔で言う沢村に、顔を熱くしながら机に突っ伏せば、「大丈夫ですか!?誰かぁあ!!」とバカ村炸裂だ。
「……えーじゅん」
沢村「……っはい!?」
「……」
沢村「え、栄純って言いました!?今!!」
「…私、栄純のそういうとこ好き」
両手で口元を覆って言えば、沢村はきゅっと口をつぐんだ後ぱっと口を開いて「俺も!!A先輩のそういうとこ好きです!!」と私の肩をがしっと掴んだ。
沢村「先輩、俺、頑張るんで、これ終わったらご褒美ください」
「え」
沢村「……よし、俄然やる気湧いてきました!!!」
☆
☆
やっぱりわんこ。
☆
倉持「……マジでうちの部屋でいちゃつくのやめてくんねぇかな……」
御幸「はは、ドンマイ♡」
.
2258人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ