【◇】Play ball!!! 10

444. ページ7

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東条



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「……なんで。どうして」

東条「……先輩、もう学校着きますし…いい加減元気出して……」

「東条には分かんないよ！！どれだけやる気出してもボールにかすりもしない私の気持ちなんて！！」




「……私は一生空振り三振の選択肢しかないんだ……」と青道の門の近くでうなだれる先輩に苦笑いする。

あの後、頑張ってボールに立ち向かっていたA先輩だけど、フォームはなんとかなってもタイミングと高さが合うわけもなく、とても紙一重とは言えないくらいの空振りを繰り返していた。

正直、逆にすごいと思う。

いや、言ったら怒られるから言いませんけどね。




「……あぁ……誰よりみんなのバッティングは見てるはずなのに」

東条「イメトレだけはバッチリなはずなんですけどね」

「それなぁ……」

東条「まぁ、女子はスポーツできなくても、愛嬌が……」

「私のはそういうのじゃないって前に倉持に言われた」




俺の言葉を無の表情で否定するA先輩に苦笑いしながら「…頑張ってる姿は、勇気を与えます」と最終手段の褒め言葉をかませば、

「……だといいけど」とらしくもなく大きなため息をついた。




「あーあ…東条とのデートも終わっちゃうし」

東条「付き合ってくれてありがとうございました」

「東条、私と愛の逃避行しない？」

東条「しません」

「即答…」



A先輩に笑顔で言い放てば、「知ってたけどね…」と虚しく笑う。

僕にはいまいち気持ちがわからないけど、やっぱり思う通りにバットを振ってボールを飛ばせないってのは、結構きついものなのかな。

ましてやA先輩は野球だけに限ったことじゃないし…。




東条「A先輩」

「なにー？」

東条「アイス奢ります」

「……え、私結局一本も打てなかったし……」

東条「今日付き合ってくれたお礼です」




「あと、先輩が頑張ってたご褒美に」と生意気なことを言ってすこしわらってみせれば、A先輩は感激したようにキラキラした目で「東条……好き……」と俺にがばっと抱きついた。




☆


☆



優男



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倉持「お前なに寮の前で堂々セクハラしてんだよ！！告訴するぞ！！」←通りがかり倉持

「ほんと……東条とは大違いっ…痛い痛い痛い！！」

東条(こりないなぁ…)




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