【◇】Play ball!!! 10

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告白をされた。
人生で初めて。


いや、別に告白されたのは人生で初めてではない。
”女の子に”告白されたのが生まれて初めて。





「あの…」

「本気です！」

「………えぇっと…御幸か倉持に、だよね？？呼ぼうか？」

「御幸先輩でも倉持先輩でもありません！A先輩に言ってます！！」

「もう一回言ってもらえる？」

「好きです、付き合ってください」





空耳じゃなかった。

目の前できゅっとスカートを握って言うのは、華奢で可愛らしい、例えるなら今流行りの広瀬すずちゃんみたいな子。

先輩とかなんとか言ってるから、一年生なのかな。それすら知らない。




「ごめんね。私あなたの名前も知らなくて…」

「椎名です！」

「椎名さん、あの、私こう見えて女です」

「やだなぁ知ってますよ」




「A先輩といえば、可愛くて優しくて面白い！我が青道高校が誇る野球部マネージャーじゃないですか！！」と意気揚々と褒めてくる。
いや、褒めすぎじゃない？

「………買いかぶりすぎだけど、ありがとう」と熱くなる顔を仰ぎながら言えば、「入学してからずっとA先輩のこと大好きでした！」と私の手をギュッと握る。




「片岡先生のことを大好きなのはわかってますけど、私どうしても諦められなくて」

「……う、うん」

「A先輩を好きな気持ちは誰にも負けません！お願いします！」




自分からぐいぐい迫ることはあれど、ここまで一生懸命にドストレートに誰かに迫られるという経験のなさから、

あと、好きな気持ちが抑えられないのは誰より知ってるつもりだから、

どうにも断れず「……お友達からお願いします」と小さく頭を下げた。




「ほんとですかっ」

「でも私、女の子をそういう対象に見たことないから…」




「お友達から先は…」と言いかけるけど、聞く耳持たず、椎名さんは嬉しそうに「A先輩！今度デートしましょう！ね！？」とキラキラ目を輝かせて言った。




☆



☆



好きな気持ちは止められないよねぇ…




☆





「と、そんなこんなで…」

沢村「女子にモテるタイプなんですね先輩！！」

「ややこしくなるから大声で言わないで」

「先輩とデート、楽しみです〜」

降谷「先輩、僕も行っていいですか」

「……何を言ってるの降谷くん」



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