【◇】Play ball!!! 10

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「身長変わんなかった」

御幸「どこもかしこも成長止まったんだな」




身長を測り終えて靴下をごそごそと履いていると、御幸が笑って私を見つめる。

多分思ったことをそのまんま言ってるんだろうけど、言い方にいちいち棘があるんだよなぁ。私は御幸を横目で睨みながらべしっと成長の記録で肩を叩いた。



「友達いなくなるよ」

御幸「最初からいねぇよ」

「あ、ごめん」

御幸「降谷はまた伸びてたろ」

降谷「…はい。少しだけ」

「まだまだ成長期だねぇ」

御幸「でかい子供みたいなもんだし？」




ちょっとだけ嬉しそうな降谷くんを見て、御幸と二人で笑っていると、倉持が戻って来て私の隣で靴下を履き始める。

私と御幸は目を見合わせると二人でニヤニヤしながら「倉持くーん」と彼を二人で挟み込んだ。




「大丈夫だよ倉持。女子は自分より高ければ、そんなに身長なんて気にしてないから」

御幸「世の中、お前より小さい女子なんて星の数ほどいるぜ」

倉持「……まだ何も言ってねぇだろ殴るぞ」

降谷「…伸びてたんですか？」

倉持「伸びてねぇわ！！！」




素直に尋ねただけの降谷くんが一番怒鳴られていて、私と御幸はお腹を抱えて爆笑する。倉持は変わらず170センチか。

私が「まあまあ。可愛いよ、洋ちゃん」と肩を叩きながら笑うと、倉持は私の頭を掴んでぐぐぐと下に押す。




「ちょっ…！痛い痛い痛い！！」

倉持「お前がでかいから…俺が低く見えるんだろーが縮め」

「何それ理不尽な！！！」

倉持「でけぇんだよ！態度が！」

「今態度関係ないじゃん！！」




いつも以上に理不尽な倉持とぎゃーぎゃー喧嘩していると、「B組外行くよー！」と委員長の声がかかる。

身体測定はすべてを測り終え、ここからが問題の体力テスト。私は大きくため息をつくと、身長の担当だった太田部長に泣きつく。




「部長…私お腹の調子が…」

太田「杉本大丈夫か！？」

倉持「部長、仮病なんで」




倉持は私の腕をぐいっと掴むと、さっきまでとは形勢逆転、喧嘩をする獲物を見つけたかのような元ヤンの目線で私を見つめて「よし、いこーか」と歩き出した。




☆


☆



態度がでかいのはどっちだ



☆



御幸「杉本、監督外にいるらしいから、いいとこ見せれるといいな」

倉持「ひゃはは！呆れられるだろ！」

「……監督は倉持と違って、頑張ってる女の子は可愛いって言ってくれるもん」

倉持「カワイー」

「うるっさい棒読みで言うな！！」


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