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監督
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「監督ー…」
部活終わり、監督室にコンコンとノックをしてそーっと入れば、丁度着替えを終えた監督が今気がついたようにこちらを向いた。
「入っていいですか?」と聞けば「あぁ。おいで」と小さく微笑んだ。
(おいでとかぁ…!ありがとうございます!)
片岡「…どうした?」
「…生きててよかった…」
片岡「………相変わらずだなお前は」
ドアを閉めて悶える私を見て、呆れた笑いを浮かべる監督に「あはは」とわたしも笑うと、監督は疲れたようにソファにどさっと座り込んだ。
私は「お疲れですねぇ」と言いながら彼の後ろに笑って、とんとんと肩を叩けばその手をギュッと握られた。
「……え、あの、」
片岡「俺はお前の父親か」
「…それもそれで役得ですが、監督は私の…んっ」
言葉を遮るように、私のうなじをすいっとすくって口づける。
突然の出来事に、一瞬で離れた唇にどどどと腰を抜かしてソファの背もたれにつかまれば、「…2人の時は、監督はやめてくれ」と私の顔を覗き込んだ。
片岡「な?」
「………私を殺す気ですか監督…あ、て、鉄心さん」
片岡「A」
「は、はい」
鉄心さんは私の手に一本一本指をからませると、「帰り、駅まで送っていくから今日は少しだけ、帰り遅くてもいいか?」とサングラスの奥の目で覗き込んだ。
「もちろんです」と心臓を死にそうなぐらい動かしながら笑って頷くと、彼の隣に膝を笑わせながら座る。
「鉄心さん…」
片岡「ん?」
「…………」
隣に座って、ドキドキしながら顔を覆ったまま、すとんと彼の肩にもたれかかる。
我ながら大胆なことをしたものだとは思うけれど、私と鉄心さんは今カレカノなわけで。
「このまま死にたい……いっ!」
肩にもたれかかって至福の時を感じていると、いきなり叩かれる。びびって頭を押さえながら「ん………」と顔を上げれば、倉持がものすごい眼光で睨みつけていた。
「あれ?鉄心さん?」と頭を押さえたままキョロキョロすれば、「寝ぼけてんじゃねーぞ」とほっぺをひっぱられた。
☆
☆
安定の夢オチ
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倉持「アホヅラでもたれかかってきたと思えば…おら、球場ついた。降りるぞ」
「なんか薄っぺらい胸板だと思えば……」
倉持「殴るぞ」
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月花(プロフ) - 9秒8って、私と同じだよ。 (2020年5月15日 18時) (レス) id: 990a644328 (このIDを非表示/違反報告)
日向桃華(プロフ) - 御幸の星に願いをって声の王子様からですか!?素敵……!この作品(シリーズ?)めっちゃ面白いです!! (2019年9月17日 18時) (レス) id: 3f82de5fbf (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - すごく面白いです!!続きが見たいです!!更新頑張ってください!! (2019年5月15日 22時) (レス) id: 12e22fef2b (このIDを非表示/違反報告)
詩音(プロフ) - いつも楽しく笑いながら読ませていただいてます!リクエスト受付てますかね……?稲実の練習(もしくは練習試合)で流れ弾が頭部にあったって救急搬送→青道の慌てるところ、見たいです!お時間ありましたらお願いします!これからも更新頑張ってください (2017年3月16日 21時) (レス) id: babcc5c2df (このIDを非表示/違反報告)
篠屋裕季(プロフ) - 杉本…いいこ… (2017年1月4日 23時) (携帯から) (レス) id: f2dc7330c9 (このIDを非表示/違反報告)
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