【◇】Play ball!!! 10

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白河




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「白河くんに優しくされたい…」

カルロス「久々に話しかけられて歓喜してたけど、内容はそれねぇ…」




今日は白河くんに会うためではなくて、
カルロスくんに話を聞いてもらうために稲実へやってきた。

休憩中のカルロスくんを呼び止めて木陰で話せば、苦笑いしながらも真面目な顔で考えてくれている。




カルロス「優しい彼氏がいいんなら、いっそ俺にする？」

「カルロスくん、今真面目な話だから」

カルロス「いや、俺も大真面目なんだけど…
まあいいや。で、Aちゃんはああいう白河の性格を知ってて付き合ったんでしょ」



「何が不満なの」とド正論を言うカルロスくんに「そう！私は自他共に認めるドMなの！」と彼の肩を掴んで叫ぶ。

「どうどうどう…」と私をなだめようとするカルロスくんににじり寄った。




カルロス「っていうかAちゃん自分でドMって認めてんだ」

「だって白河くんに冷たくされて喜ぶんだもん！」

カルロス「じゃあいいんじゃないそれで」

「試しに少しだけ！優しくしてもらいたいってだけ！」



「好奇心！」と言う私にカルロスくんは暫く考え込むと「よし、大好きなAちゃんのために一肌脱ごうか」と言って私の隣に座った。




「本当に脱ぐのはやめてね…」

カルロス「辛辣〜」




カルロスくんはするりと私の肩に手をまわすと吐息がかかりそうな距離まで近づく。




「近い」

カルロス「これも作戦のうちだから…ほらきた」

白河「おい」



カルロスくんの声に顔を上げると、おぞましい顔をした白河くんが私とカルロスくんを見下ろして立っていて、カルロスくんを蹴り私の頭をバシッと叩いた。




「話が違うよカルロスくん！」

白河「カルロス、お前あんまりこいつに近寄るな…」

カルロス「俺は『白河が優しくない』ってAちゃんがいうから、励ましてあげようと思っただけなんだけど？」

白河「…カルロスには関係ない」




白河くんは、しゃがみ込んだままの私を見て、眉間にしわを寄せる。「悪かったな、優しくなくて…」と自分が叩いた私の頭を軽く乱暴に撫でると、「…帰り、送るから」と言い捨てていった。




☆



☆



優しいところもあるわけで



☆



「カルロスくん！」

カルロス「白河はあれが愛情表現。時々来る優しさを気長に待ってやりな」

「…なるほど」

カルロス「まぁ、ベッタベタに甘やかされたいならやっぱり俺だよAちゃん」

「遠慮しまーす…」



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