10分間 ページ47
赤葦・月島「ごちそうさまでした」
「はーい、」
赤葦「俺やるから準備してきなよ」
「うん、着替えてくる」
Aと交代して食器洗いをしていると
月島がソワソワしているのが視界に入る。
赤葦「どうしたの、月島」
月島「顔洗ってきてもいいですか?」
赤葦「行ってきな、」
そんな事かと内心思ったが、
先輩の家だと緊張するのだろうか。
「京治のTシャツ借りていい?」
赤葦「いいけどサイズ的に中学のにしときなよ、」
「ありがと!!」
バタバタするAと入れ替わりで
スッキリした表情の月島が戻ってきた。
月島「代わりますよ、」
赤葦「準備終わったの?」
月島「はい、歯磨きまで済ませちゃいました」
赤葦「そう、笑 じゃあお願いします。」
月島に代わってもらい、
脱衣所でサッと顔を洗い、歯磨きをする。
赤葦「A、昨日の服ここにあるよ、」
「はーい、」
パタパタと階段を駆け下りて
服を取りに来た彼女に服を手渡す。
「ありがと、」
赤葦「髪、結んだんだ?」
「ポニーテールにしてみた、似合う?」
赤葦「似合ってるよ、すごい可愛い」
そう言っておでこにキスをすると
ぽっと顔を赤くして照れる彼女。
「そっちじゃない、」
赤葦「ん?」
「なんでもない、」
ふいっと顔を背けて去ってしまった彼女に
意地悪をしすぎたなと反省する。
洗濯機の様子を見ると
あと5分もしないうちに乾燥が完了するのを
確認した。
赤葦「洗濯物今日中に渡せそう」
リビングに入ってそう伝えると
月島は丁度食器洗いを終えた所だった。
月島「本当ですか、ありがとうございます。」
赤葦「あと5分くらいで終わるから待ってて。」
月島「はい、」
ちらりと時計を見るとあと10分。
荷物を取りに部屋に入るとAは床に座り込んで
誰かとLINEをしていた。
「あっ、」
赤葦「あと10分だから荷物取りに来ただけだよ、」
「そっか、」
赤葦「Aさ、さっき期待した?」
鞄を肩にかけて、Aの目の前に座る。
「え?」
赤葦「キスして貰えると思った?」
「思っ…た」
赤葦「おいで、」
軽く手を引いて向き合う形でAを上に座らせて
おでこにキスをした。
「そこじゃない、」
赤葦「Aからしてくれてもいいんだよ?」
「それは…っ、」
赤葦「まあ出来ないなら仕方ないけど」
ポケットに入れてたスマホが振動して
電話だと認識した。
木兎さんからだろうか。
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作者名:まなか | 作者ホームページ:http://mana_no_syo_settu
作成日時:2019年4月20日 0時