アネモネの花 ページ48
スマホを取り出して確認すると
やはり木兎さんからだ。
赤葦｢ごめん、電話だ｣
｢光太郎？｣
赤葦｢うん、｣
きっと今日の部活の事だろう、
そのまま電話に出ることにした。
赤葦｢はい、もしもし｣
黒尾｢もしもし？Aちゃんいる？｣
赤葦｢いますよ、代わります？｣
黒尾｢代わってくれ、｣
赤葦｢はい、黒尾さんから｣
Aにスマホを手渡すと
キョトンとした顔で電話に出た。
｢黒尾さん？はい、え？白鳥沢…？
あっ、若くん、牛島若利と知り合いですよ、｣
何となくわかってたけど予想を裏切られ
衝撃を受ける。
白鳥沢のエースと知り合いだとは…
｢はい、もう少ししたら行きますね、｣
通話が終わったのだろう、
スマホを俺に返してまた誰かにLINEを送った。
赤葦｢白鳥沢のエースと知り合いなんだね、｣
｢言ってなかったよね、｣
赤葦｢うん、知り合い多いんだね｣
｢まあね、｣
赤葦｢守ってくれる人が多くて安心する…｣
｢心配性だねえ、｣
赤葦｢Aの事だから余裕ないんだよ、｣
｢ちゃんと考えててくれてありがとう｣
洗濯機の終了の合図が鳴って
出発まであと５分になったことに気づく。
赤葦｢月島の洗濯物、取ってこないと…｣
Aを俺の上から下ろし、立ち上がり
荷物を肩にかけ直す。
するとAも立ち上がって、荷物を持った。
｢京治、｣
赤葦｢どうしたの？｣
小さく手招きをされ、彼女に近づく
首に手を回され、軽くキスされる
｢身長高いからなかなか出来ないけどたまにはね、｣
少し照れながらも彼女からしてくれたのが
個人的に嬉しかった。
赤葦｢意外と照れる、これ。｣
｢顔真っ赤だよ、｣
赤葦｢珍しく取り乱してる、今｣
｢あっ、ちょっと隠さないでよ｣
バレないように腕で隠したつもりが
すぐにバレてしまった。
赤葦｢嫌だ、｣
時間が無いのとAから逃げたかったのが理由で
部屋を出るとついてきた。
｢照れる京治も好きだよ｣
赤葦｢褒めても見せないよ、｣
｢む〜、｣
Aに見向きもせず脱衣所に入り
月島の洗濯物をせっせと畳む。
その間に顔のほてりが無くなり赤くなくなった。
｢赤くなくなっちゃった、｣
赤葦｢残念でした、笑｣
リビングに向かうと、
準備を終えた月島が座っていた。
赤葦｢洗濯、終わったよ、はい。｣
月島｢ありがとうございます、助かりました。｣
赤葦｢そろそろ出ようか、｣
月島｢はい、｣
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作者名：まなか | 作者ホームページ：http://mana_no_syo_settu
作成日時：2019年4月20日 0時
