ぐだぐだですやん。 ページ34
それぞれの部屋に案内されて、
私と月島くんは別れて部屋に入った。
私が使う部屋は京治の部屋なので
京治も一緒についてきたけど。
「進路希望出さないの?」
赤葦「あー…うん、まだいいかな」
京治は横目で進路希望の紙を見た。
「まだって来週までだよ?」
赤葦「分かってるけど…」
「けど??」
赤葦「まだ踏み切れない」
彼はスパッと決めてしまう人だと
勝手に思っていたが、優柔不断であったようだ。
「留学じゃないの?」
赤葦「なんか不安でさ。ただの興味本位で行くくらいだから1年持たないんじゃないかなって。」
「大丈夫だよ、きっと。」
赤葦「Aがそう言ってくれるなら頑張れるかも」
彼はペンをとり、スラスラと進路希望の紙に
記入していく。
「日本の大学でバレーしないの?」
赤葦「そんなに技術ないから、高校でやめるんだ。」
「そう…なんだ…」
彼のバレーが見られるのがあと少しだなんて
受け入れたくないけど、決めたのなら仕方ない。
そう割り切った。
赤葦「よし、」
ペンと紙を机上に置いて彼はベッドの縁に座った。
「学校戻ったら黒尾さんに会いたい」
赤葦「一番迷惑掛けちゃったもんね。」
「うん、あと黒尾さんの前で沢山泣いちゃって
でもちゃんと話し聞いてくれたから、
お礼言いたいなって。」
赤葦「うん、謝ってお礼言いに行こう。」
「黒尾さん甘いの好きかなあ、」
赤葦「Aが選んだなら何でも食べるよ多分。」
「蛍くんはショートケーキで、孤爪くんはアップルパイだっけ、」
赤葦「うん、みんなに買ってくの?」
「ううん、迷惑かけた人と孤爪くんはなんとなく。」
赤葦「それなら持っていけそうな量だね。」
「蛍くんと京治に持ってもらえば大丈夫でしょ?」
赤葦「うん、余裕だね。」
「よし、もう3時だし散歩ついでに行こ!」
赤葦「じゃあ月島呼んできて。」
「うん、」
部屋を出て奥の部屋をノックすると
月島くんの通った声ではい、と返事が聞こえた。
「ケーキ買いに行こ〜」
月島「行きましょう。」
すぐにドアが開いて、先に歩いて行ってしまった
蛍くんを見て本当に好きなんだなと実感した。
赤葦「よし、行こうか。」
京治はいつの間にか着替えていて、
思わず私服に見惚れる。
赤葦「A?」
「ん?」
赤葦「ぼーっとしてどうしたの」
「私服見るの初めてだったからつい…」
赤葦「見惚れた?」
「えっ、」
赤葦「冗談。」
そう言ってニヤリと笑う彼にキュンとした。
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作者名:まなか | 作者ホームページ:http://mana_no_syo_settu
作成日時:2019年4月20日 0時