久々更新 ページ35
月島｢早く行きましょう。｣
今まで見たことないくらい月島くんは興奮していた。
｢蛍くんなんか散歩好きな犬みたいだね｣
赤葦｢ケーキには目がないからね、｣
月島｢東京で有名なケーキ屋さんらしいので
なんか落ち着かないんです。｣
確かにさっきからキョロキョロしてて怪しい。
｢ちゃんと年下っぽいとこもあって安心した。｣
そう言って笑うと月島くんは少し照れていた。
駅の改札を抜け、電車を待つ。
ケーキ屋さんがある駅には4駅ほどらしい。
赤葦｢A｣
ぼんやり待っていると京治は耳打ちをしてきた。
｢ん？？｣
赤葦｢大したことじゃないんだけど、
その、手、繋ぎたいなって。
帰りは荷物持つから繋げないし…。｣
珍しく恥ずかしそうに言う京治に
少しキュンとする。
｢いいよ、｣
手を差し出すと彼は嬉しそうに手を握ってきた。
赤葦｢Aのこといつかお母さんに会わせたいって思ってる。｣
｢京治のお母さんは、今何してるの？｣
赤葦｢長期出張で海外に。
エアメールが月一で届くんだ。｣
｢お父さんは？｣
赤葦｢大学教授。だから中々帰ってこないよ｣
｢すごい御両親だね、寂しくない？｣
赤葦｢寂しい時もあるけど、姉ちゃんいたし、
部活とかで家にいる時間あまり無かったから。｣
｢そっか、お姉ちゃん、羨ましいな。｣
ゆっくりと電車がホームに入ってきた。
赤葦｢姉ちゃんならいつでも貸してあげるよ笑｣
冗談交じりでそういう彼に手を引かれて電車に乗る。
月島くんはそれに続いて乗った。
｢うちには可愛い弟がいるからなあ、｣
赤葦｢弟いたんだね、｣
｢ね、蛍くん。｣
ちらりと月島くんを見ると驚いた顔をしていた。
月島｢弟じゃないし…｣
赤葦｢そりゃあ可愛い弟だね。｣
そう言って京治は月島くんの頭を撫でた。
月島｢赤葦さんまで…｣
とは言いつつ月島くんは嬉しそうだ。
｢蛍くんだけずるい！｣
赤葦｢はいはい、｣
京治は少し困った表情で私の頭を撫でた。
月島｢甘えん坊ですね、｣
赤葦｢甘えてくれた方が嬉しいから助かるよ｣
月島｢羨ましい…｣
赤葦｢月島も甘えていいんだよ？｣
月島｢そうじゃなくて、｣
赤葦｢あ、降りるよ。｣
月島くんが言いかけたタイミングで
電車が駅に着く。
月島くんが言いかけたことが気になったが
京治に手を引かれてそれどころではなかった。
｢京治、ちょっと早い、｣
赤葦｢え、早い？ごめん、｣
京治と月島くんは足が長いから
普通だろうけど私はそうじゃないから
早く感じてしまう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まなか | 作者ホームページ：http://mana_no_syo_settu
作成日時：2019年4月20日 0時
