心の声【her view】3 ページ30
「結局その上忍の男の人、花を買っては帰らなかったの。」
「……え?待って、花を買いに来たんでしょ?」
良く分からない話だと首を傾げた私に、クスクス笑いながらいのちゃんは話を続ける。
「あのね、その人は花を買って、A先生に告白しようと思ってたんですって。」
「……えっ?!私にっ?!またまたぁ……私に花をくれる人なんて居ないよ!」
事実、花を貰うようなロマンチックな告白は誰にも受けてないし、そんな素振りを見せる相手も居なかったはずだから、「きっといのちゃんの勘違いだよ。」と笑ったが、それでもいのちゃんは左右に首を振って話を続ける。
「その人、Aさんはどんな花が好きかなって店番していた私に聞いて来たんですけど……それを近くで偶然聞いてたカカシ先生が、『Aは花より団子だから、何を選んだってきっと喜ばないよ』って言ったんです。」
「……ちょっと……何、その失礼な発言。アイツ……私を何だと思ってるのよ!!」
安易に想像出来てしまった憎らしいカカシの顔に思わず拳を握り締めれば、いのちゃんは落ち着いてとお茶を淹れて差し出してくれた。
「ま、まぁそこ怒るのは後にして、まだ続きがあるから聞いて下さい。それで、その花を買おうとしてた人、カカシ先生のその言葉とかツンとした態度にちょっと怒っちゃって、『あんた、Aさんの何なんだっ!』ってカカシ先生に突っかかって……」
「え?!もしかしてカカシ、お店に迷惑かけた?!」
「もう!A先生、話し終わるまでちょっと黙ってて!!」
「あ、はい。すみません。」
口を挟んだ私に、少し怒った様に言ういのちゃんの気迫に押されて押し黙れば、「よしっ!」と頷いてからいのちゃんは笑顔で続きを話し出す。
「えっと……だから、そう言われたカカシ先生はその人に『Aは俺のだから。悪いけど諦めて。』ってサラッと当たり前の様に言ったの!もうこれって、A先生が好きって言ってるのと同じよねっ!!私、顔がニヤついちゃって大変だったんですよー?」
「……え?」
「本当はこの事カカシ先生に口止めされてたんだけど、この際A先生もカカシ先生のこと少しはそういう風に……ってA先生ー?聞いてますかぁー?」
「え?!あ、うん。」
呆れたようないのちゃんの声は耳に入らないまま曖昧に返事を返して、カカシの言動に首を傾げる。
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テン(プロフ) - かなさん» かなさんコメントありがとうございます(*^^*)そう言って頂けてとても嬉しいです!亀更新で申し訳ないですが、これからも楽しんで貰えれば幸いです♪ (2022年4月29日 2時) (レス) id: c0a1965786 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - とても面白いです!応援しています(^^*) (2022年4月16日 5時) (レス) id: a32747b1ee (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - sayyさん» sayyさんコメントありがとうございます。亀更新で申し訳ありません^^;とても励みになりました!続きは気長にお待ち頂ければありがたいです(*^^*) (2021年9月27日 21時) (レス) id: 7837fbad55 (このIDを非表示/違反報告)
sayy - カカシが可愛い!応援してます!頑張ってください! (2021年9月23日 21時) (レス) @page37 id: 694cb4f9d7 (このIDを非表示/違反報告)
テン(プロフ) - キーさんさん» キーさんコメントありがとうございます。確かに最近ナルト作品少ないですよね(^^;ナルト君達も出していけるように頑張りますね♪応援ありがとうございます(*^^*)とっても嬉しいです。 (2021年2月14日 12時) (レス) id: 3d6ac160d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:テン | 作成日時:2021年2月6日 22時